236部分:第十六話 新たな仕事へその十二
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第十六話 新たな仕事へその十二
「ですから」
「だといいのだがな」
「では。暫くして」
「旅に出よう」
ホルニヒを見てだ。王は言った。
ホルニヒを見てはいる。しかしそれと共にであった。
そこにフランスも見ていた。彼が愛している国の一つをだ。
「是非な」
「はい、それでは」
こうした話をしてであった。王はフランスに行くことを決めた。しかしその王の周辺でだ。
また一つ。王にとって思わしくないことが現実のものになろうとしていた。
周囲、宮廷の者達がだ。こう話すのだった。
「それではですな」
「はい、時が来ました」
「戦争は終わりましたし」
「それならです」
「陛下もいよいよです」
「ご成婚ですね」
「王として」
話はだ。そのことだった。
婚姻のことを話してだ。自然とだった。
彼等の声がうわずってきていた。興奮を感じているのだ。
「一体どういった方と結婚されるのか」
「家柄だけではありませんね」
「その通りです。陛下は整った方です」
王のそのだ。見事な容姿のことが話された。
「それだけに。釣り合う方でないと」
「そうですね。お奇麗な方」
「どなたがいいでしょうか」
「陛下程の方になると困りますね」
「全くです」
こうだ。善意そのものの心で話をしていくのだった。
「果たしてどなたがいいか」
「陛下御自身のお言葉も聞きたいですね」
「そう、ただあの方は」
ここでだ。彼等の中に厄介な話が浮かび出た。その王の嗜好である。
「女性については興味が」
「全くないようですから」
「それがどうなるかです」
「陛下を振り向かせられる方」
「その御心を繋ぎ止められる方」
その二つが条件となるのだった。
「一体どなたになるのか」
「それが問題ですね」
喜びと共に悩みがあったのだ。王の結婚についてはだ。
そのことに対してどうなるか、どうするべきか。多くの者はわかっていなかった。しかしそれでもだ。この話もまた動いていくのだった。
第十六話 完
2011・3・30
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