HLはすげーよ、確かにすげー。でも無敵か最強かと言われればそれはまたちょっと違う話なんだよなー、という短編集
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。少ないながらライブラには君とクラウス君、そしてレオ君との会話記録が残っていた。双子のマクベスのことも。可能性として君が来ることは予想できていたとも。まぁ、勝てるかと言われれば無理だろうネ。このHLで『13王』に連なる君と腰に限界を感じるアラフィフなんて勝負と呼べるほどの規模にもならない」
「じゃあ、どう断つんだ?俺としちゃあ、ソイツがいずれ眠るのを待つんでいいと思うがね」
「ところがどっこい、私はもっと騒がしいのが好きなんだ。よって――こんなものを用意した」
「そいつは――へぇ。フェムトから話だけは聞いてるが、実物を拝んだのは初めてだな」
「あの大天才博士には不評だったが、あるものは使わせてもらうのが私の流儀でね。ま、見ていたまえ」
絶望王は、面白そうに見物に回る。
モリアーティはそれを同意と受け取り、手にしたそれを蝶に掲げた。
そして――。
= =
レオナルド・ウォッチは相も変わらず物騒な生活を送っていた。
「はぁ……俺、一年のうちに何回入院すれば気が済むんだろ」
「キキッ」
別にレオに限らずライブラはみなそうだが、荒事で怪我をしてよく入院する。今回はアストルフォとザップが敵の基地に突入したせいでやけっぱちになった相手がミサイルをぶっ放してきて舞い散った破片にやられたのだが、突入組が無傷で待機組が主に被害を受けたのが非常に納得いかない。ギリギリ軽傷で済んでいるので、もう今日には退院だ。
そんなことを考えながらソニックを肩に乗せてふらふらと歩いていると、いつの間にか見覚えのある場所に足が向かっていた。
病院に立ち並ぶ墓地。なんとなく、不釣り合いなのに今は懐かしくさえ感じる場所。
ここで出会い、そして別れた。ほんの短い付き合いだったそれは、今になって思えば初恋だったのかもしれない。一生忘れられそうにないし、忘れる気もないあの子がいるのではないかと、ここに来るといつも同じ場所を見てしまう。
「ま、こんな縁起の悪いところ、わざわざ来るのは世界に二人くらいしかいないか」
「ふふっ、うふふふふふふっ……そうね、私たちくらいしか来ないわね?」
そこに――見覚えのある人が、いた。
思わず目を見開き、神々の義眼で凝視する。
でも、やはりそこに確かに存在した。
「……でも、死に怯えて生きていくなんて虚しいと思わない?どうせみんないつか死ぬのに、今だけ見ないふりしたところで、意味なんかあるのかしら?」
白い肌、長い金髪、翡翠のような美しい瞳。
「なーんて、達観したフリして言ってたっけ、私。今になって思えば、真面目に生きられてなかった私こそ、見ないふりしてたんだなって思う。レオがアイツに連れていかれて、死ぬより怖いことってあるんだ、ってさ」
「君
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