第6章:束の間の期間
第176話「深まる謎」
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のみとはいえ、一本の線で繋がったようだと、司達は思った。
根拠はなくても、同一犯の可能性があると思うには十分に共通点があった。
「以前襲撃してきた男は、誰かに命令されたようだった。それに、男の力も正体も分からず仕舞い。ロストロギアも同じで、誰が発掘場所に置いたのか不明だった」
「おまけに、優輝さんが解析すると予測済みだったんやろ?」
「……で、今回判明した魅了の力を与えた存在か……」
どれもが“背後に何かいる”というものだった。
その正体がわからないが、その“不明さ”が、三つの事を一つにまとめていた。
「……もしかすると、この事はもはや人の身では有り余る事かもしれないわね。その前者二つの件は知らないけど、話を聞く限り相当危険ね」
〈神様謹製のデバイスの身から言わせてもらっても、鈴と同意見だねぇ〉
パンドラの箱と以前の男について知らない鈴とマーリンがそう言う。
知らなくてもそう思ってしまう程、異常だと感じたからだ。
〈強大すぎる存在はただ“在る”だけで影響を及ぼす。……君達も会話の中で気づいているだろう?……ただの憶測を出ないはずの会話なのに、やけに説得力があるのを〉
「っ……!」
マーリンの言葉に司が目を見開く。
そう。今までの会話は全て憶測から述べていたモノばかりだった。
説得力のある、根拠ありきの言葉ではない、ただの推測でしかない。
だというのに、確信を持てる程の“言葉の強さ”があった。
……その事に、司は遅ればせながら気づいたのだ。
「………まさか」
〈“いる”だろうね。それほどの存在が、間違いなく〉
憶測の出ない話に、説得力を感じた。
それはつまり、その話に影響を及ぼす程強大な存在であり、且つその話に関係しているという事になる。
〈解せないのは、その存在の目的だね〉
「……少なくとも、優輝君が関連してると、思う」
「パンドラの箱は、あいつじゃないと解析できない設定だったからな」
考え込む司と帝。
そんな二人に対し、鈴が手を叩いて思考を中断させる。
「判断材料の少ない今、考え込んでも時間の無駄よ。気になるのはわかるし、見逃せない事でもあるけど、今は目の前の事に集中しないと、あらぬ事で足元を掬われるわよ」
「……そう、だね」
これ以上はどうしようもないと、司はそれ以上の推測をやめる。
どの道判断材料が少ない今では、何もできないからだ。
「……一度、転生者全員で知っている事を照らし合わせるか?」
「ないよりはマシ程度にしかわからないと思うけど……」
「神夜君にも聞いておいた方がいいんちゃうか?話が通じるかはわからへんけど……」
また時間を置いてから考える事にして
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ