暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第176話「深まる謎」
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のみとはいえ、一本の線で繋がったようだと、司達は思った。
 根拠はなくても、同一犯の可能性があると思うには十分に共通点があった。

「以前襲撃してきた男は、誰かに命令されたようだった。それに、男の力も正体も分からず仕舞い。ロストロギアも同じで、誰が発掘場所に置いたのか不明だった」

「おまけに、優輝さんが解析すると予測済みだったんやろ?」

「……で、今回判明した魅了の力を与えた存在か……」

 どれもが“背後に何かいる”というものだった。
 その正体がわからないが、その“不明さ”が、三つの事を一つにまとめていた。

「……もしかすると、この事はもはや人の身では有り余る事かもしれないわね。その前者二つの件は知らないけど、話を聞く限り相当危険ね」

〈神様謹製のデバイスの身から言わせてもらっても、鈴と同意見だねぇ〉

 パンドラの箱と以前の男について知らない鈴とマーリンがそう言う。
 知らなくてもそう思ってしまう程、異常だと感じたからだ。

〈強大すぎる存在はただ“在る”だけで影響を及ぼす。……君達も会話の中で気づいているだろう?……ただの憶測を出ないはずの会話なのに、やけに説得力があるのを〉

「っ……!」

 マーリンの言葉に司が目を見開く。
 そう。今までの会話は全て憶測から述べていたモノばかりだった。
 説得力のある、根拠ありきの言葉ではない、ただの推測でしかない。
 だというのに、確信を持てる程の“言葉の強さ”があった。
 ……その事に、司は遅ればせながら気づいたのだ。

「………まさか」

〈“いる”だろうね。それほどの存在が、間違いなく〉

 憶測の出ない話に、説得力を感じた。
 それはつまり、その話に影響を及ぼす程強大な存在であり、且つその話に関係しているという事になる。

〈解せないのは、その存在の目的だね〉

「……少なくとも、優輝君が関連してると、思う」

「パンドラの箱は、あいつじゃないと解析できない設定だったからな」

 考え込む司と帝。
 そんな二人に対し、鈴が手を叩いて思考を中断させる。

「判断材料の少ない今、考え込んでも時間の無駄よ。気になるのはわかるし、見逃せない事でもあるけど、今は目の前の事に集中しないと、あらぬ事で足元を掬われるわよ」

「……そう、だね」

 これ以上はどうしようもないと、司はそれ以上の推測をやめる。
 どの道判断材料が少ない今では、何もできないからだ。

「……一度、転生者全員で知っている事を照らし合わせるか?」

「ないよりはマシ程度にしかわからないと思うけど……」

「神夜君にも聞いておいた方がいいんちゃうか?話が通じるかはわからへんけど……」

 また時間を置いてから考える事にして
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