第6章:束の間の期間
第176話「深まる謎」
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フェイトが目覚めてから、しばらくの時間が経った。
目覚めた者は、皆が精神的に不安定になっており、中には暴れる者もいた。
その度に、奏を始めとした皆がバインドなどで押さえつけ、何とか落ち着かせた。
「……なんとか……本当に、何とか事情は読み込めたわ……」
目覚めた者の一人、はやては頭を抱えながら絞り出すようにそう言った。
「信じられへんと言うより、今までと現在の思考の違いに気がおかしくなりそうやわ」
「そこは時間を掛けて何とかしていくしかないかな」
顔色が悪いが、はやては比較的早く落ち着いた。
そのため、司達との会話に応じているのだ。
「魅了を掛けられていたってのも、わかる。リインは司さんとかのおかげでそれが防がれてたのも理解したわ。せやけど……」
「……」
「疑問に思うんよ。……なんで神夜君に魅了の力があるんや?」
それは、司達も何となく思っていたが口にした事はなかった疑問だった。
それもそのはず。司や奏と言った転生者は“特典”の効果だと思っており、アリシア達はそう考えている司達を見て、司達は知っているから無理に知る必要はないと考えていたからだ。
「自覚無しだったのは、司さん達の話を今までの記憶を照らし合わせればわかる。だからこそ、どこで、いつから、どうやってその力を身に着けたのかがわからんのや」
「それは……」
はやてに言われて、司はその考えを改める事になった。
元々、魅了の力を持っていると確信できたのは、今は使う事の出来なくなった優輝の能力による、ステータス解析があったからだ。
本人も知らなかった能力を、一体どうやって身に着けていたのか。
司はそれを改めて考える事になった。
「(……誤魔化しは、ダメだよね。……はやてちゃんなら、理解してくれるかな)」
まずは、はやてに説明をする必要がある。
司の前世については以前の事件で大まかには知られている。
だが、この世界に転生する際の事について、優輝達も誰も言った事がなかった。
「……知っているんやな?」
「……私も詳しくは知らないし、憶測も混じるけどね。それでもいいなら……」
「構わへんわ」
それならと、司は説明をするために一度目を閉じて頭の中を整理する。
「じゃあ、話すよ」
奏に対し、アイコンタクトで話す事を伝えて、口を開く。
「―――その話、私にも聞かせてくれないかしら?」
「っ……!」
その時、部屋の入口から声を掛けられる。
「(気づかなかった……!?)」
「悪いわね。聞き耳を立てていたわ。……魅了につ
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