第四章
第38話 降臨
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いいんですか?」
「……そこまで興味があるわけではないからな。人間に」
大変な問題発言であるような気がするが、表情にはまったく悪びれた様子がない。
無関心な神に見守られ続けてきた人類、哀れなり。
「人間に興味がないのに『人の神』をやっている理由を教えてほしいです……」
「お前が知る必要はない。少なくとも今はな」
「はあ、さようですか」
むむむ。
これからしばらく一緒に行動することになると思うが、なんだか毎日が大変になりそうな予感だ。
***
あわよくば爺に丸投げしようと思っていた服選びだが、神用の正装がこの世界にあるはずないわけで。
二人で唸りながら選ぶことになった。
結局、俺が面会したときの神の服装に一番近そうな、白い浄衣になった。
神が長身すぎるため、サイズはおそらく合っていない。だがもともと長さに余裕がある服のため、不自然には見えなかった。
謁見の間に、神と俺が入った。
絨毯の道の両側に鎧の兵士が壁を作っているほか、参謀、将軍らをはじめとする国王の部下たちも、地方に出張している者をのぞいて勢揃いしていた。
国王との対面については、普段の謁見の形式はとらず、国王のほうも椅子から降りて挨拶を交わす段取りになった。
さすがに神にひざまずかせるのはまずいということのようだ。
俺としては助かる。
神に謁見の作法を説明したところで、覚えてもらえる気がしなかったから。
椅子から立った国王が壇を降り、こちらの前に立つ。
身長差のせいで、かなり見上げるかたちになっている。
「余がこの国の国王だ。会えて光栄に思う」
「わたしは人の神だ。この人間に言われて地上に降りてきた。しばらく世話になる」
国王も神も、目上に対する言葉は使っていない。
これは事前に決めていたことだ。
爺の話では、国王は「神は人間より偉いのだから、余は神に敬語で接するべきだろう」と言っていたそうだ。
しかし、服を選び終わったときに爺がそれを神に確認したところ、少し考えてから「他の人間に対する話し方と同じでよい」と答えていた。
その理由までは、言っていなかった。
個人的には、あまり人間に持ち上げられると後が面倒だとか、そのような打算が働いたものと思っている。
この場にいる、将軍たちや参謀たち、その他城の関係者たちを、チラッと見る。
やはり過去に例がない事態ということで、揃って表情が硬いようだ。
が――。
「このたびはその者が無礼を働き、誠に心苦しい限りだ」
「……確かに、あのようなことを言われたのは初めてだったな」
「余の不徳の致すところだ。申し訳ない」
「この人間の言動については気にせずともよい。召喚
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