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緑の楽園
第四章
第37話 常識
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ト。
 それを見て、ふと思い出したことがあった。

「そういえば、神社の巫女が『仔犬を捕まえたら飼育してみます』って言ってましたよ? 彼女が上手くいくようだったら、話を聞いてみるといいかもしれません」
「ほう。なるほど。ではそうしてみるかな」

 何となく、ヤマモトは下手に接して噛まれる気がするが。
 躾けるのは他の人がやるだろうし、まあ大丈夫かな?

「ところで。クロくんが会った神は、オオモリ・リクくんが会った神と同一なのかな?」

 ウィトスが疑問を出した。これは俺も同じ疑問を持った。
 クロに聞いてみよう。

「クロ。俺も神に会ったんだけど。クロの会った神って、人型だった?」

 クロは少し視線を外し、思い出すような仕草を見せた。

「いや、私を大きくしたような姿だったと思うが」
「じゃあ俺が会った神とは違うんだ。へえ」
「ほう、別の神さまだったわけだね。なるほど」

 なんとなくそうだとは思ったが、神は一人ではないということだ。
 神界? にはたくさんいたりするのだろうか。
 まあ……その辺を俺が知ったところで知識としては役に立たないだろう。

「クロはその神に呼び出されたってことでいいのか?」
「ああ、私を呼び出したのはその神で間違いはない。そう言っていた……」

 クロは俺と違って移管されることもなく、呼び出した神本人が担当になっているようだ。

「陛下は何か質問ありますか?」
「いや、質問は特にない。特にない、のだが……」
「だが……?」
「クロのほうは面会が円満に終わったのだな。暴れた誰かさんとは大違いだ」

 むむむむ。



 ***



 ずっと話をしていたので、脳が糖分不足になっている。頭が重い。
 手足にも少し痺れを感じる。

 ――俺、持久力ないのかな。
 国王などは、いつも人と会っているか書類を決裁している印象がある。一日中頭を使っているはずなのだが、あまり疲れている顔を見たことがない。
 自分だったら絶対に無理だと思う。

「兄ちゃんおかえり」
「ただいま……反省してます今後は気を付けます」
「あはは。どうしたの」

 また部屋に戻ってきてベッドに一直線。うつ伏せでバタンだ。
 カイルが例によって上に乗ってきて指圧が始まる。

「ダメだ、俺常識ないわ」
「常識? ははーん、神さま降臨の件かな。注意されたんだ」
「お前、鋭いな。大正解だ」
「やっぱり。まー、兄ちゃんはこの時代の人間じゃないんだし。仕方ないでしょ」
「はー……。この時代の人じゃないからだと信じたい……」
「よし。じゃあ兄ちゃんの武術の師匠であるオレが、ありがたい言葉を授けよう」

 そういえば、こいつは俺の師匠だった。
 年齢的には
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