第四十六話 受験が終わってその二十二
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「あちらに」
「ああ、そうでしたね」
「まあお屋形にないのは事実よ」
天理高校と阿波野君にあらためてお話しました。
「それはね」
「そうですよね」
「確かに独特で雰囲気のある建物だけれど」
「僕最初に見てこれは学校なのかって思いました」
「よくそう言われるわ」
おぢばに帰って天理高校を見た信者さんによく言われてきました、それは私が入学する前からです。
「それはね」
「やっぱりそうですよね」
「ああした校舎他にないわよね」
「お屋形もですけれどね」
「これもまた天理教なのよね」
建物もです。
「このことも覚えておいてくれたら嬉しいわ」
「天理教のカラーですね」
「そうなるわ、じゃあもう出ましょう」
図書館をとです、阿波野君に言いました。
「いいわね」
「はい、それじゃあまた」
阿波野君は私ににこりと笑って言ってきてでした、そのうえで。
二人で図書館の校舎を出て一年生と二年生がいるその独特な本校舎を歩いてでした。そうして三年生の校舎に向かう廊下のところで別れました。それからは私一人で三年生の教室がある校舎に入って教室に戻ったのですが。
戻ってきた私にです、友達の一人がこう言ってきました。
「何かいいことあったの?」
「いいことって?」
「だってちっち凄くにこにこしてるから」
だから言ってきたというのです。
「そう思ったけれど」
「いいことって別に何もないわよ」
私は友達に怪訝な顔で返しました。
「本当に」
「そうなの?」
「ええ、いつも私と会う一年の子と図書館でお話しただけで」
阿波野君のことなのは言うまでもありません。
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