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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と強化合宿編
NO.073 強化訓練後の風景
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「でも……?」
「出久お姉ちゃんだけはなぜか見ていてもイライラしないんだ……まだ物心つく前の幼かった頃に感じたお父さんお母さんみたいな安心感があるんだ」

今でも十分幼いけどね……と出久は心の中で思った。
空気は一応読めるのである。
まだ5歳なのにもうこんなに達観してしまって……将来苦労しそうだねと思う。
それが自身も原因の一端を担っていると分かっていない出久も出久だが……。

「……俺、出久お姉ちゃんと関わることができてよかったと思う……まだヒーローに対しては苦手な感情が上回っちゃうけど、それでも俺もお父さんやお母さんのように立派な人になりたいって最近思い始めて来たんだ……」
「洸汰君はやっぱりどこか少し大人びているよね……普通なら5歳でそこまで深く考えられないと思う。少なくとも僕はそこまで考えてなかったからね」

考えられる余裕もなかったしね……とは口には出さない。
当時を振り返るとよく性格が捻くれなかったと当時の自分を褒めてやりたいほどだ、と。

「出久お姉ちゃんの当時ってやっぱり……無個性だったから……そういう事なのか?」
「……やっぱり洸汰君は敏い子だね。うん、色々ショックが酷かったからね当時は……」

と、昔の話をしそうになった時に、出久の猫の耳がわずかな音を感じて、そして嗅覚で誰の匂いかもすぐにわかったために、

「かっちゃん……? そこにいるの?」
「ッ……」

すぐにバレてしまったためにバツの悪そうな顔をする爆豪。
あの時に出久の後を追いかけてきたのだ。
そして洸汰と仲良さげに話をしている中で、洸汰が出久が無個性だったことを知っていることに驚いてつい体を震わせてしまったのだ。

「わりぃな、デク……後をついてきちまって……」
「ううん、いいよ。でも、この場所は洸汰君の秘密基地だから他の誰にも教えないでね?」
「おう……」

そんな、出久と爆豪の会話を洸汰は無言で聞いていた。
そして出久の表情もしっかりと見ていたためにその変化にもすぐに気づけた。
爆豪が現れた途端に先ほどまで自身に見せていた表情とは全く違う、まるで、そう……安心しきったような表情を浮かべる出久に洸汰はこんな表情もするんだ……という気持ちより先に嫉妬心が表に出てきていた。

「おい、お前……」
「……あん?」
「お前は出久お姉ちゃんのなんなんだ? それに“デク”ってなんなんだよ? あの浮かぶ女も言っていたけどなんかお前の言うあだ名にはなんか含みのあるような感じがした……」
「洸汰君、それはね……」
「出久お姉ちゃんは今は黙ってて。考えたくないけど出久お姉ちゃんは昔は無個性だった。そしてデクってあだ名……そこから出てくる答えは『木偶の棒』から取ったんじゃないかって……」
「ッ……!」

それで爆
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