猫娘と強化合宿編
NO.073 強化訓練後の風景
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姿に何かしらの感情を覚えたが、やはりその気持ちがなんなのかに気づくのには至らなかったために「そうか……」と胸の鼓動を気にせずに具材を捌いていた。
そんな鈍感な爆豪とは裏腹に、出久の姿を見て胸ときめかせる者が数名……。
「ケロ。出久ちゃん……ただでさえあざといのに料理まで出来るだなんて……将来いい奥さんになりそうね」
「そうだよね、梅雨ちゃん!」
「緑谷の料理……食べてみてーな」
「いや、これから食えるだろ……」
「その通りだね☆」
と、色々と言われていたり。
そして始まる試食会。
各々で作られたカレーにお腹も空腹の限界に達していた一同(一部例外)は思いっきりがっついていた。
所々で普通なら微妙と言われるだろうが現状も相まって美味しい!という声が何度も聞こえる。
その中で異様にがっつく八百万。
強化訓練であれだけ糖分を摂取していたのだけれど、その分をすべて創造品に変換していたために意外にお腹に入る入る。
そんな光景を八百万の説明もあってか瀬呂が余計な一言を言い放つ。
「う〇こみてー」
「……………」
八百万、思わず轟沈。
「謝れー!!」
「すみません!!」
哀れ瀬呂は耳郎にしばかれた。
そんなわいわい楽しい食事会。
だけど出久は一人食事をしないで森の中に入っていく洸汰の姿を目撃する。
それで急いで一人分のカレーをお皿に盛って、
「ごめんみんな。ちょっと出てくるね」
と、言って洸汰の後を追っていった。
「…………」
みんなは食事に夢中だったために「分かったー」の一言で流していたが、爆豪だけは無言で出久の事を目で追っていた……。
洸汰はいつもの秘密基地に来て座って遠くを眺めていた。
この場所は一人だけを除いて誰にも知られていないホームだ。
たとえマンダレイに心を許したとはいえ、ここだけはまだ教えていないのだから筋金入りだろう。
そしてとある期待をしていた。
もしかしたら後を追って着いてきてくれるかもしれないという事を……。
「……あ、洸汰君。やっぱりここにいたんだね」
「出久お姉ちゃん!」
しかして思い人は来てくれた。
それだけで洸汰は気持ちがスッと楽になる思いであった。
あちらそこらでヒーローになりたい連中だらけで多少は出久のおかげで和らいだものの、ヒーロー嫌いはそう簡単にはぬぐい切れないものなのだ。
「はい。カレー持ってきたから食べて。お腹、空いてるでしょ?」
「……うん」
「だけど、やっぱりまだあの空気はダメ……?」
カレーを食べ始める洸汰にそう話しかける出久。
洸汰は少し間を置いて「うん……」と頷く。
そんな洸汰に対して出久も「そっか……」とそれ以上は追及しなかった。
「でも……」
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