第四幕その十
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「そうしたら前足が出ないから」
「自然にね」
「それは好奇心が許さないのよ」
エリカのそれがというのです。
「ついつい見てしまうのよ」
「そこも猫ね」
「ええ、猫らしい猫でしょ」
「あらためて思ったわ」
そうだというのです。
「今の貴女を見てね」
「まあそうでしょうね」
「ええ、けれど今はね」
「今は?」
「蛍を見ること以外にもう一つあるでしょ」
「やることが」
「そうでしょ」
「ええ、食べないとね」
エリカもそのやることが何かはわかりました、それで言うのでした。
「バーベキューを」
「その通りね、食べないとね」
「そうよ、そっちも忘れたら駄目よ」
「わかったわ、じゃあ食べるわね」
「そうしましょう」
「それにこのバーベキューかなり美味しいしね」
ジョージはお肉だけでなくピーマンや玉葱、人参も刺されているそのバーベキューの串を手に取って食べつつエリカに言いました。
「だからね」
「是非になのね」
「食べないとね」
「そうよね、やっぱりね」
まさにと応えたエリカでした。
「食べることは忘れたら駄目よね」
「そうだよ、ジュースもあるし」
見れば果汁をそのまま絞ったフルーツジュースもあります。
「林檎や武道のね」
「それじゃあね」
「そちらも楽しんでね」
「そうするわね」
エリカも頷いてです、そうして。
実際にバーベキューも食べてジュースも飲むのでした、そうしながらここでこんなことを言いました。
「いや、バーベキューも楽しめるわね」
「貴女のリクエストだしね」
「我ながらいい閃きしてるわね」
「それで皆に美味しいものを提供出来たっていうのね」
「そうよ」
まさにその通りとアンに答えます。
「そう思って満足しているわ」
「そこでも貴女らしいことがが出たわね」
「そうなのね」
「ええ、本当にね」
まさにというのです。
「貴女らしいわ」
「私のこの閃きはいつも皆を幸せにするわね」
「そうともばかり言えないわよ」
「またそこでそう言うのね」
「言うわよ、どうしていつもそう考えるのよ」
アンもバーベキューを食べています、そうしつつエリカに言うのです。
「自分に都合よく」
「それが私ってことよ」
「つまり猫ってことね」
「そうよ、けれどお陰でね」
「蛍を見られてっていうのね」
「それにべーべキューも食べてるじゃない」
「バーベキュー出したのは私が持っているテーブル掛けだけれどね」
そこを言うアンでしたが。
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