暁 〜小説投稿サイト〜
オズのエリカ
第四幕その十

[8]前話 [2]次話
「そうしたら前足が出ないから」
「自然にね」
「それは好奇心が許さないのよ」
 エリカのそれがというのです。
「ついつい見てしまうのよ」
「そこも猫ね」
「ええ、猫らしい猫でしょ」
「あらためて思ったわ」 
 そうだというのです。
「今の貴女を見てね」
「まあそうでしょうね」
「ええ、けれど今はね」
「今は?」
「蛍を見ること以外にもう一つあるでしょ」
「やることが」
「そうでしょ」
「ええ、食べないとね」
 エリカもそのやることが何かはわかりました、それで言うのでした。
「バーベキューを」
「その通りね、食べないとね」
「そうよ、そっちも忘れたら駄目よ」
「わかったわ、じゃあ食べるわね」
「そうしましょう」
「それにこのバーベキューかなり美味しいしね」
 ジョージはお肉だけでなくピーマンや玉葱、人参も刺されているそのバーベキューの串を手に取って食べつつエリカに言いました。
「だからね」
「是非になのね」
「食べないとね」
「そうよね、やっぱりね」
 まさにと応えたエリカでした。
「食べることは忘れたら駄目よね」
「そうだよ、ジュースもあるし」
 見れば果汁をそのまま絞ったフルーツジュースもあります。
「林檎や武道のね」
「それじゃあね」
「そちらも楽しんでね」
「そうするわね」
 エリカも頷いてです、そうして。
 実際にバーベキューも食べてジュースも飲むのでした、そうしながらここでこんなことを言いました。
「いや、バーベキューも楽しめるわね」
「貴女のリクエストだしね」
「我ながらいい閃きしてるわね」
「それで皆に美味しいものを提供出来たっていうのね」
「そうよ」
 まさにその通りとアンに答えます。
「そう思って満足しているわ」
「そこでも貴女らしいことがが出たわね」
「そうなのね」
「ええ、本当にね」
 まさにというのです。
「貴女らしいわ」
「私のこの閃きはいつも皆を幸せにするわね」
「そうともばかり言えないわよ」
「またそこでそう言うのね」
「言うわよ、どうしていつもそう考えるのよ」
 アンもバーベキューを食べています、そうしつつエリカに言うのです。
「自分に都合よく」
「それが私ってことよ」
「つまり猫ってことね」
「そうよ、けれどお陰でね」
「蛍を見られてっていうのね」
「それにべーべキューも食べてるじゃない」
「バーベキュー出したのは私が持っているテーブル掛けだけれどね」
 そこを言うアンでしたが。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ