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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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3章 穏やかな日々
24話 意外な人物からの呼び出し
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あ、わかった」

 道のわきに植わっている樹に寄って、通行人の邪魔にならないようにしてから、リアはメッセージを開いた。

「…ん?」

 なんと差出人は少々意外な人物…アスナだった。

 
 あのボス攻略会議からすっかり柔らかくなったアスナは、随分リアに懐き、今ではかなり親しい仲である。人間関係、いつどこで変わるのかよくわからないものだ、なんて思いながら、リアはメッセージをタップして開いた。

From:Asuna
Main:
 相談したいことがあるんだけど、今いいかな?

「……」

 リアは頭をひねるが、一向にアスナが相談したそうな内容が出てこない。なにしろ、現在リアたちは気分的に今の状況を“休暇”としているが、他から見ればただの“謹慎”、しかも攻略組との接触も禁止されている。あの委員長気質のアスナがそれを破ってまで相談したいことというのが、リアには想像がつかなかった。

「…あ、俺もメッセ来た」

 不意にツカサがそう言い、ウィンドウを操作する。そしてツカサはリアには見えない画面をたっぷり十秒は凝視した。その内容は非常に気になったが、

「…悪い、野暮用ができた」
「奇遇だね、私もだよ」

 ツカサは例によってかなりの人見知りのため、仕事依頼の連絡はこない。そんなツカサとメッセージをやり取りし、しかもツカサを呼び出せるほどの人物はただ一人。リアの従妹であるキリトのみである。

 それにしても、タイミングが良すぎやしないか。


 そんなことをを一瞬考えたが、ま、いっか、とリアは首を振った。

「どれぐらい時間かかりそう?」
「うーん…あまり時間は予想できないな」
「同じく。じゃあ、終わり次第そのまま家に帰ろうかな」
「わかった。気をつけろよ」
「うん。ツカサ君もね」

 リアはそう言うと、転移門の奥に消えるツカサの背中を追ってつぶやく。

「転移、アラガンド」





 
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―


 一人の少女のもとに、さっきメッセージを送ったばかりの人物から返信が返ってきた。




From:Rear
Main:了解。今から36層、アラガンドの“踊り狂う雌鶏亭”で待ち合わせしよう。







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