インテグラル・ファクター編
終わりの始まり
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ていた。
「ひ……人殺しの……クソ野郎が……」
俺の拳がクラディールの顔面に直撃する。クラディールの顔はもはや別人なぐらいボコボコだったが、今の一撃で顔は崩壊。そして砕け散った。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
呼吸が粗い。今も顔の骨を砕いた様な感覚が指先に残っている。自分の手を見るとプルプル震えていた。
「ア、アヤト……」
「アヤト君……」
キリトとアスナの方を見ると、二人は何ともいえない表情。いや、恐怖に染まっていた。なんだよその顔は?俺は何かしたのか?頭がどんどんスッキリして行く。そして状況をしっかり理解した。
初めてーー人を殺した。ラフコフ討伐の時でさえ俺は誰一人殺してなかったのに……。それからコハルが目を覚ますまで呆然と俯いていた。
それから数日。俺とアヤトは血盟騎士団を脱退した。アスナとコハルも精神的な休憩が必要だということで休暇をもらっていた。アヤトはあの日以来元気がなく、部屋から出てこなくなった。コハル、俺、アスナと行っても部屋の扉が開かない。完全に引きこもってしまったようだ。
「アヤト……」
「大丈夫だよ。アヤトは必ず復活するって。今はそっとしておいてやろうぜ」
「うん……」
俺はコハルの心配を解そうとする。それからどれだけ時間が経っただろうか。一向に気分が晴れない。それだけでなく何だか胸騒ぎがするのだ。
「私、もう一回アヤトの所に行ってくる」
「あ、コハル!?」
コハルはアヤトの借りている部屋の前までつくと、咄嗟にドアノブに手をかけた。すると、さっきは開かなかった扉が開いた。コハルはハッとすると勢いよく中に入る。
「アヤト!」
しかし、中には誰もいなかった。いや、何も無かった。アヤトが置いていたインテリアも、服も何もかもがなくなっていた。
「アヤト……何処に行っちゃったの?」
コハルは部屋を出るとあちこちを探し始める。アヤト……何処に行っちゃったの?
胸騒ぎが止まらない。何か、アヤトが遠くに行ってしまいそうなそんな感覚。いつものようにひょっこり帰ってきてほしい。
「コハル?何やってるんだ?」
「アヤト君のところに行ってたんじゃないの?」
「キリトさん。アスナ。実は……」
事情を説明する。それを聞いた二人も手伝うって言ってくれた。そのまま手分けして探しに行く。フレンドリストの名前が薄くなっていないことから、最悪の事態には陥っていない事が分かった。
「……!?メッセージ?誰だろう?キリトさんたちからかな」
コハルはメッセージ画面を開く。
『コハル。突然居なくなってごめん。でも決めたんだ。俺はこのゲームを今日終わらせる。この世界にいるみんなを解放するんだ。でもこれは掛けだ。もし
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