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永遠の謎
223部分:第十五話 労いの言葉をその十三

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第十五話 労いの言葉をその十三

「だからいいのだ」
「左様ですか」
「それでいいのですか」
「それでは」
「何はともあれ喜ぶとしよう」
 また言う王だった。
「戦争が終わったことをな」
「はい、それではです」
「臣民と共にですね」
「今のこの平和が来たことを」
「ではだ」
 ここまで話してだった。王はだ。
 その彼等に対してだ。こう話したのだった。
「これからだが」
「これから?」
「これからといいますと」
「タクシス少尉を呼んでくれ」
 彼の名前を出したのである。
「いいか、彼をだ」
「少尉をですか」
「あの方を」
「そうだ、呼んでくれ」
 こう告げるのである。
「頼めるか、そのことを」
「はい、わかりました」
「では」
 周りは王の言葉に応えた。そうしてだ。
 実際にタクシスが王の前に来た。彼は敬礼してからだ。王に微笑んで述べた。
「戦争が終わりましたね」
「そうだ。無事な」
「そうです、いいことです」
「その通りだ。そしてだ」
「そして?」
「卿のことだが」
 彼に顔を向けてだ。王は話すのだった。
「結婚するのだな」
「はい」
 タクシスは静かにだ。王に述べた。
「そうさせてもらっていいでしょうか」
「私の許しは必要ない」
 それはだ。いいというのである。
「それはいい」
「宜しいのですか」
「そうだ、いい」
 王のタクシスへの言葉はこれだった。
「卿の好きな様にしたらいい」
「そうなのですか」
「私も。私の好きな様にする」
 王もだ。そうするというのである。
「だからだ。そうするといい」
「わかりました。それでは」
「幸せになるのだ」
 王は遠い目、いつもの目で述べた。
「是非な」
「有り難きお言葉」
「バイエルンはとりあえずは救われた」
「とりあえずですか」
「プロイセンの属国にならないことだ」
 王が今考えているのはそのことだった。プロイセンの力は抑えられない。だがそれでもだ。それは避けると決意しているのである。
 それでだ。彼は話すのだった。
「とりあえずは救われた。だが」
「だが、なのですね」
「避けられないのかもな」
 また遠い目で話す王だった。
「最早な」
「プロイセンの属国になることはですか」
「プロイセンが目指すのは何か」
 そのことについても話す。

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