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妖精のサイヤ人
Prologue_remake:世界は甘くなかった
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、‘’戦闘民族サイヤ人‘’として生を受けたから、いいことであると受け入れている。
二つほど不満があるとすれば、何度修行しても結果が得られないといったことか。

鞄からマップを取り出し、ペンで囲んだ場所の名前を見つめながらため息を零す。
本来なら昨晩で村に着くはずが、オオカミと似た見た目をしたモンスターたちに襲われて、気が付けば向かっていた方向とは別の場所へと辿り着いてしまったのだ。
何故か強い姉の手解きのおかげでモンスターを追い払えたが、その結果が森の獣道で迷子とか洒落にならない程の大失敗をおかしたことが今の後悔である。

「どこ村だっけな…この真っすぐに進めばいいのかぁ…??」

前世の自分であったのならどうしていたか…精神的に脆いはずなので役に立たねえだろうな、と思わず遠い目を空に向けて現実逃避をしてしまう。
前世と繋がりがあるとすれば、今も失っていないあるサイヤ人に対する憧れと…

「神龍よ…できれば今呼ばないでくれよ…」

近い将来、タイムパトローラーとして呼ばれる自分を想像しながら、荷物を持ち前に歩く。
茜色の逆立ったヘアスタイル、前髪を弄りながら未来に希望を持って歩きだす。

第二の生を、転生サイヤ人として歩むオレはネロ・ハバード。
いつの日にか、神龍に呼ばれるかもしれない、魔導士たちのいる世界で旅をするサイヤ人である。



○●○●○●



SIDE:???


「ふぅ…これでいいのかな?」

村の近くにある森で私は今同じ教会で住んでくれているシスターの先生と一緒にいい薬になる雑草や花を取りに来ていた。
少しだけ村から離れちゃうけど、私みたいな年の子供でも来れる距離の森だ。迷うこともなければ森に生息している危険な生き物がいる森じゃないから心配もない、安心して来れる森だから私一人でも来れる。
今年で5歳になる私だけど、今お使いや頼み事を聞かなければならない。

私が物心が付いたときから、両親なんていなかった。
教会にいる大人たちや他の子供たちと一緒に居るときも”暖かい気持ち”になるけど、それでも満たされないときがあった。

――孤独。

教会や子供たちと一緒に居ても、何故かそれだけが消えなかった。血の繋がった人がいないという事実が、どうしても頭から離れられないのだ。
それは酷く寂しく、辛いことだ。
まるでこの世に居るのは私だけだというような気持ちになって、もっと寂しくなることがある。
だから親や兄妹と居る子を見て、少しだけ嫉妬してしまったりする。

私を家族として本当に想う者はいない、そう考えてしまう。
それでもこの村の人達に良くしてもらっているのは事実だ。先生のお手伝いをしたり、何か役に立てること
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