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妖精のサイヤ人
Prologue_remake:世界は甘くなかった
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炎に対し回避をしたくも放たれた距離によりその行動を阻止されたもの当然。
紅髪の男は両手を上に上げ、体内から己の力を炎のようなエネルギーを纏い凝縮させ、自身の前に平の壁へと変形させた。

「…っはあああ!!!!」

黒い炎がエネルギーの壁に衝突したその瞬間に、壁はその形が崩れ、まるで一つの球体へと変形し、黒い炎をもまとめて閉じ込めた。
黒い炎を内側へと閉じ込めた紅の球体エネルギーを片手に、敵へとお返しと言わんばかりに投げようとするも、目の前の光景には黒ではなく、''白''に変わっていた。

「なっ…!!?」

「――巧い、が少し遅かったね」

‘’白い何か''は、紅の男を包み込むような輝きを放ち、そして――






「ゲホッ…ゲホッ……スゥーッ…!」

止まぬ咳を堪えながら口を押えていた手を離し、その手に付いていた血を見つめた後に、深呼吸をする。

「まだ…まだ…せめての抵抗はしてやる…!!はああああ!!!」

男は咆哮し、その身に再び紅いオーラを纏う。そのオーラは人のサイズより、より巨大化し始める、が
男の雄叫びに合わさるように大きくなっていたそのオーラは、突然小さくなり始めた。

オーラと共に男のその声を少しずつ小さくしていくなっていった。
男の前にいる''黒い髪''に戻った少年は無表情に、冷徹にそれを見ていた。

「…神性を纏ったサイヤ人、同類かと思いきやそうではなく、かといったら僕の呪いに耐性もない。期待していたが――もう時間切れだね」

少年は男から興味を失せたように、もう男はこのまま倒れ尽きると判断する。それは少年は相対している男から感じていた力が消え失せていくことで己がかかった呪い(・・)によりこの男はもう”死ぬ”と思ったからだ。

「…勝手に期待するのも失礼…いや、大罪を犯し続けた僕が気にするのは変な話か」

少年は失望から後悔の色を顔に浮かぶ。
自身の我儘により、また一人の人間を死に至らせていたことに。
何故このようなことになったのか、最初は殺すようなことをするつもりもなかったはずなのに。

矛盾しきったその思考に、少年は再び頭を抱えそうになるがそれを耐えて再び男へと目線を向け
そして自身の右手を目の前の紅髪の男へと手を向ける。
その手からは黒い色したエネルギーのような何かが発現し、そのエネルギーを圧縮する。

「――君との殺し合いは、新たな可能性を僕に見せてくれた。とても有意義な時間だったよ。''この世界‘’で、君のようなイレギュラーが居たことに感謝すらしている。だから―――一思いに楽にしてあげるよ」

少年は目の前の男との死闘により自身の望みに近づける近道を知ることができた。
少な
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