賑やかな夕食
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非来てください。ご一緒したく思います」
背後から声をかけたアロンソが、咳払いをした。
「ライナは士官学校があるだろう。休みでずっと帰れるわけではない」
「それは」
不満げにライナが唸った。
と、入り口に近い扉が開き、リアナ・フェアラートが姿を現した。
男性が一人、室内で書類を読んでいる様子が見える。
いまだ商談中だったのだろう。
「お帰りとお聞きしまして――すみません、途中で退席をしてしまい」
向かい合っているアロンソとライナを無視して、リアナはアレスに声をかける。
そんなアレスは開いた扉をずっと見ている。
眉根を寄せた、睨んでいるような表情だ。
「アレス様?」
二度目の問いに、アレスは表情をリアナに戻した。
アロンソとライナも同時――アレスを見ている。
「ああ。少し考え事を……本日はありがとうございました」
「いえ。こちらこそ、ぜひまたいらしてくださいね」
「リアナ。さっきもいったがライナは学校が」
「あら。別にライナがいなくてもいいじゃありませんか」
「お母さま!」
拗ねた言葉に、リアナは楽しげに笑った。
やはりライナよりも上手らしい。
「また士官学校にも顔を出すさ」
「本当ですか!」
「ああ。シミュレート大会も見たいしな」
「当然です。今年こそは負けません。アレス先輩も――」
「ああ、応援しているよ」
「それは……二度とご期待を裏切りません」
はっきりと呟いた言葉に、満足そうにうなずいた。
「じゃ」
もう一度礼を言って、執事に促されるように外に向かう。
と、振り返り――悪戯を浮かんだ表情を見せた。
「それじゃ。ごきげんよう、ライナ」
「はい! ごきげんよう、アレス先輩!」
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