賑やかな夕食
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た。
それに母であるリアナが非常に関心を示して、ライナをおいて語り合ったのは、少し嫌だったが。経済に関しては母親に一日の長があるから、仕方がないと言えるだろう。
彼の話は非常に多様で、父や母――そして、ライナの心を奪う、
そんな時間もすぐに過ぎた。
時間だ。
明日は日曜日――休みだから泊ってほしいと思うのは、ライナの欲望かもしれない。
そろそろと時計を見るアレスに、少し残念な表情を見せながら。
「はい。すぐに車を用意します」
メイドへと声をかけて、残されたわずかな時間を待つ。
手元にある紅茶は少なく、さらに残された時間はもっと少なかった。
「アレス先輩は……」
問いかけようとして、質問がない事に気づく。
かといって、既に言葉は放たれており、アレスが何かとライナを見ていた。
言葉を探し。
「アレス先輩は、戦争はすぐに終わるとお思いですか」
浮かんだのは、最後にアレスが言いかけた言葉だった。
存外に長くはないとの言葉。
「ああ。というより、戦争を続けるためだけに軍人がいるというのはおかしな話だろう」
軍というより、国として。
当然の意見ではあったが、不満を見せたライナに、アレスは表情を戻す。
きつく、睨んでいるような表情だ。
「長すぎて当然と思っているかもしれないが、長すぎた戦いはいろんなところに歪みを生んでいる。それが決壊すれば、決着するのは一瞬だろうね」
さも当然とばかりに言われた言葉は、しかし、感情を含んでいる。
どこか嫌さを含む感情に、聞こうとしていたどちらが勝つかという質問は辞めた。
代わりに。
「私はアレス先輩の元で戦いたいと思います」
そんな言葉に、アレスの表情が緩んだ。
「奇特なことだ。おすすめはしないが」
「それはアレス先輩も同じです」
「否定できないな」
アレスが小さく笑った。
+ + +
「本日はありがとうございました」
立ち上がった姿に、ライナは口に出して、大きく頭を下げた。
銀色の髪が揺れる。
メイドに手伝ってもらって、初めてアップにしたが、どう思われただろうか。
そんなことを考えて、上目遣いにアレスを見れば、アレスの視線はしっかりとライナを見ていた。
たったそれだけのことで嬉しくなって、心がはねた。
「こちらこそ。長居して申し訳ない――楽しい時間をありがとう」
迎えの車を用意したと聞いて、扉を開ければ、アロンソが立っていた。
いつもは無感情な表情が。
苦虫を噛みつぶしたように苦く、しかし、喜色を含む複雑な表情だ。
「今日はありがとう。妻も――娘も喜んでいる」
「こちらこそ楽しい席をありがとうございました」
「こちらこそありがとう」
「また是
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