第四章
第35話 神
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「はあ……」
「お前には先ほど言ったとおり、当初は文明が停滞している理由について詳しい調査をさせようかと考えていた。
まずお前と連絡が取れ次第、この国の国王に取り入ることを指示する予定だった。だが今まで連絡が取れず、指示が出せなかった」
「俺がなかなか神社に行かなかったからですか」
「……やはりそうだったか。それもあっただろうし、お前は信心が他の人間い比べて浅いようだから、それも災いしたのだろうな」
最初のお参りのときに弾かれてしまったのも、信心の無さが原因だったのだろう。
今回はいろいろあって、まあ神らしきものは存在するんだろう、という思いで臨んだから大丈夫だったということか。
「しかし、先ほどの話を聞くに、お前は既にこちらの指示がなくとも動いていたようだな。すでにだいぶ調査が進んでいるようだ」
「それは偶然です。たまたま国王とつながりができて、いろんな人たちの協力をもらって、この時代から抜け出す方法を探っていました。その過程で、偶然その『組織』について知るところとなりました」
「……。経緯はどうあれ、今までよくやってくれている。これで次の指示を出すことができる」
偶然であることを強調したが、そんなことに興味はないと言わんばかりだ。
この神にとっては、俺については思い通りに動くかどうかのみが重要なのだろう。
「引き続き国王の協力を仰ぎ、その『組織』とやらを解散させるのだ」
無表情のまま指示を出してきた神に、俺は答えた。
「えっと。嫌です」
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