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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第1話 異例な双子
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違って遠距離攻撃の方が得意である。

 彼のスプラヴィーンの姓は母親のものであり、きちんと父親のものを使用した場合、名前は『ミスト・フォンバレン』となる。これを言えば、勘の悪い人でも確実にこの事実にたどり着くだろう。

 エースとミストは双子の兄と弟の関係にある。瞳の色と使用属性を除き、ほとんどの容姿が同じだ。違いが分かりやすいように分け目などの変えられる要素は変えているものの、それでも非常によく似ている。

 ちなみに、彼の言うペーパーとは、魔法陣を書いた紙『マジックペーパー』のことであり、魔力をこめることで魔法陣が消えるかわりに自分の属性が何であろうとその魔法陣に対応した魔法を発動する、という一回使い切りのアイテムである。

「というか、スプリンコートさんと一緒なら2人の分共有でよかったんじゃ? 手分けしたのに何で一緒なの?」

「……エース、もしかしてヤキモチ妬いてるの?」

「違うっての。気になっただけ。そこんとこ知らないとミストにやられっぱなしでなんかイラつくから、説明頼む」

「だってさ。理由、説明してあげてよ」

 エースとミストの視線が、ほぼ同じタイミングで1人の少女に向いた。

 2人に『スプリンコートさん』と呼ばれたその少女の名前は、フローラ・スプリンコート。柔らかい金色のセミロングヘアに淡いピンクのリボンカチューシャを付け、水色の瞳をしたその顔は、まさに迷宮に咲いた一輪の花と言っても差し支えない。加えて制服である春夏用のベストと半袖シャツを着ていても分かる起伏に富んだ身体とくれば、異性を魅了すること間違いなしだろう。

 そんな彼女の性格は、一言で言えば穏和。戦場となり得るこのような場所にいるよりも、街の片隅で花を愛でたり本を読んでいたりする方がお似合いである、とエースもミストも思っている。

 その一方で、彼女の回復・支援・阻害魔法に助けられている部分も多くあることを、2人はよく理解している。水属性自体が攻撃よりも支援に向いていることもあり、彼女の頭の良さをフルに生かしている。特に、回復魔法に関しては、エースの氷属性もミストの風属性も支援系の魔法は使えても回復は出来ないため、非常に重宝している。

 そんな容姿端麗で成績優秀、そしてサポートのスペシャリストと様々な褒め言葉が投げかけられ、様々なグループに引っ張りだこな彼女にも、もちろんダメなものはある。

「えーと……それは……オバケが怖かったから」

「あーそうだった……。そういやオバケ苦手って言ってたっけ」

 そう、フローラはオバケが大の苦手である。そのため、迷宮では必ず誰かと行動しないとビビって動けないのだ。その弱点は自他共に認めているものであるため、フローラは必ず誰かに力を借りる。今回もミストに強力を仰ぐことで、どう
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