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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第1話 異例な双子
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部、サウゼル地方の中心にある町『ソゼリア』にある魔導士育成学校に通うとある双子も、その残り少数に属する2人である。
* * * * * * *
薄暗い迷宮の中をひたすら歩いて進む、1人の少年。
左手に持つ消えかけの松明が照らし出すのは、ダークブラウンのやや癖のついた髪型に、黒みがかった青い瞳を持つ少し釣り気味の目。姿だけならやんちゃにも思える風貌だが、纏う雰囲気からはそのようなものは微塵も感じられない。
少年が今その身に纏っているのは半袖の黒いカッターシャツに白いズボン。戦闘に不向きそうなその黒いシャツの胸元にデザインの凝ったエンブレムが入っているのを見る限り、どこかの学校の制服なのだろう。
そんな彼が松明とは反対側の手に持つのは、護身用であろう1本の剣。その剣はよくよく見れば鉄ではなく氷の刃を携え、一切の汚物をその身につけることなく、また近くの松明に屈することなく半透明の輝きを放っていた。
「あーしまった……残りないんだった」
迷宮の中で頼りになる明かり代わりの消えかけの松明。それが細々と燃えているのを見て、ズボンのポケットに手を突っ込んで何かを探しながらそうぼやいている少年の名前は、エース・フォンバレン。魔法で作りだした氷を自分の思うがままに造形し、武器として扱うのが得意な少年である。右手の剣は彼が魔法で作り出したものであり、用途や地形など、様々な要因を加味した上でそれらに応じた色んな武器に作り替えることが出来る。
「頼むから合流するまで持ってくれよ……」
エースは今、何をしているのか。
その答えはこうだ。『薄暗い地下迷宮を、一緒に来ている他の仲間と手分けして住み着く魔物を倒している』。
この松明の火はその仲間の一人が突入時につけてくれた火であり、着火手段を持たないエースは合流するまで頼りない灯火に頼るしかない。魔物との戦闘になり、それが長引きでもすれば消えてしまう可能性は決して低くはないだろう。
そして、それを出てくる魔物が全く考えてくれないのだから、現実は過酷である。
「ヴゥゥゥ……」
エースの視線の先にある何も見えない暗闇からうめき声のようなものが聞こえたかと思うと、やがてそれの発生源であると推測される魔物、『デッドリビング』が現れた。
迷宮で死んだ人の怨霊が魔力を纏って形を成し、異形の怪物と化したとも言われている魔物である。本来ならば光属性魔法を使用して屠るのが手っ取り早いのだが、あいにくエースの使える魔法の属性――適性と呼ばれている――は氷魔法である。やりようによっては早いが、光属性魔法を使うよりは確実に時間がかかる。
「俺松明の火が頼りなさ過ぎて消えそうで怖いんだけどなぁ……通じる相手じ
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