機動戦士ガンダム
2188話
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すので」
ギニアスのその視線に、俺はアイナに視線を向ける。
すると俺の視線を受けたアイナは、特に動揺する様子もなく頷きを返してきた。
「はい。兄の言う通り、アプサラスのテストパイロットの件は、私が自分で兄に進言しました」
この様子を見る限り、ギニアスに強制されているといった風でもなく、本当に自分から言ったらしい。
これで、もしギニアスに強制でもされているようなら、こっちも色々と考えるべきだったのだが。
「まぁ、取りあえずギニアスがそう言うのなら……そっちはそれでいいのか?」
ギニアスの護衛だというノリスに尋ねると、ノリスは真面目な顔で頷きを返す。
「は! ギニアス様、アイナ様のお言葉に従います。それに、私は実践に出てアイナ様の護衛に付く事になっておりますので、この命に代えてもアイナ様はお守りいたします」
「……なるほど、分かった」
つくづくガトーと気が合いそうな性格や言葉遣いだな。
「取りあえず、護衛をするのならジオン軍のMSじゃなくて、ルナ・ジオン軍のMSにも慣れておけ。さっき話題になったヅダはともかく、それ以外の機体はザクとは操縦系統が違うからな」
「は! ご配慮、ありがとうございます」
そうして、取りあえずアプサラスの話題は終わりそうになり……
「あの、アクセル代表」
そんな中、不意にアイナが声を掛けてくる。
珍しいな。今まで会話は完全にギニアスに任せて、俺に話し掛けられるまでは自分から何かを言おうとはしていなかったのに。
「ん? 何だ?」
「その、一つ伺いたいことがあります」
そう尋ねてきたアイナの表情は、真剣な……それこそ、アプサラス計画の話をしていた時のギニアス並に真剣な表情を浮かべていた。
これは適当に相手を出来る状態ではないと判断し、俺もそのつもりで言葉を返す。
「言ってみろ」
「はい。……ルナ・ジオン軍を率いているアンリ元帥の、ジオン軍時代の部下の方々、首都防衛大隊に所属していた人達は、皆が傷病兵だったと聞きます。また、私達がこれから行くハワイを治めているゲラート少佐も、眼を怪我していたとか」
「そうだな」
アイナの言葉に頷きながら、俺はその話の成り行きを大体理解出来た。
つまり、アイナもまた欲しているのだ。恐らく、誰かの治療を。
「言ってみろ。誰の治療を望んでいる? 必ずしも治療が成功するとは思わないが、それでも大抵の怪我や病気はシャドウミラーなら治せるぞ」
「兄を……」
「……ギニアス?」
アイナの口から出た言葉に驚き、ギニアスに視線を向ける。
こうして見た限り、別にギニアスは特にどこか怪我をしているようには思えない。そうなると……
「病気か?」
「はい。兄は小さい頃に事故
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