51話:次世代の面々
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配したのだが......。まあこいつがそういうなら、何かあれば任せろという事だから、観客役に徹するか。
「無礼な!我らの事を知りながらその物言い、許せぬ!」
そうお坊ちゃま方は怒声を上げると黒髪の貴公子ことロイエンタール卿に殴りかかったが、するりとかわすと腕を取って一瞬で関節を決めた。貴公子然としているが、格闘術では年下にも拘らず俺も2歩は譲る腕前だ。なにしろあの喧嘩上手なシェーンコップ先輩に幼少から色々と仕込まれているのだ。普通の従者ではとてもかなわない腕前を持っている。
「それで、どうされます?逆らうことができない従者や領民相手ならいざしらず、そのように緩んだ身体で私をどうこう出来るとでも?私も舐められたものだ」
腕を決められた方は痛みで動けずにいる。
「我らにこのようなことをして只で済むと思うのか。我らはブラウンシュバイク公爵家の一門だぞ!」
「そうですか。ではこの話もブラウンシュバイク公爵もご承知なのですね。では私の判断ではなく、リューデリッツ伯にお伝えしますので、伯からお返事することになるでしょう。では!」
もう一人が身分を振りかざしたが、ロイエンタール卿はどこ吹く風だ。そして言質をとった。このままではリューデリッツ伯にもお手数をおかけすることになるが良いのだろうか?コルネリアスも心配げにディートハルトに視線を向けたが、奴は特に気にした様子はない。
「覚えておれ!」
と捨て台詞を吐くと、門閥貴族のご一門は誰が見ても無様な態でこの場を去っていった。どう決着を付けるのか心配になったが、
「ロイエンタール卿、今年の新入生はしつけがなっていない様だね」
「はい。リューデリッツ伯からもガイエスブルク要塞の件で軍が配慮したことを勘違いする輩もでるだろうから、言質を取ることと、重傷を負わせない事以外は、私の判断で対応するようにと命ぜられております。しっかり報告もせねばなりませんが」
そんな話が出ていたとは。だからディートハルトはのんきに観客役をしていた訳か。コルネリアスも肩をすくめて苦笑している。だが、伯に報告の辺りで一瞬、表情が曇ったのが気になるが。
「私からも叔父上に報告しておこう。ロイエンタール卿がしっかりと節度ある対応をしたとね」
ディートハルトがそう言うと、助かります。では次の講義がありますので。と礼を言うと去っていった。
「どういう理由があったとはいえ、素人相手に格闘術を使うと、叔父上はお怒りにはならないが、2時間ほど組手の相手をさせるんだ。だから表情が曇ったという訳さ」
父からも聞いたが、同期の中でもリューデリッツ伯とベッカー准将は幼少から格闘術を嗜み、他を寄せ付けなかったと聞く。シェーンコップ先輩も弟子のひとりらしいし、そんな方との鍛錬ともなれば、さす
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