51話:次世代の面々
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上官を選ぶことにはなるのだろうが」
任官か。まだ先の話だが、俺の父は同期だったリューデリッツ伯の下で任官してからほとんどの軍歴を重ねている。祖父が架空の投資話に騙された一件を処理してもらった縁らしい。それが無ければ今頃ファーレンハイト家は極貧生活だったそうだ。
恩があるのは分かっているが、リューデリッツ伯の指揮下は人気の部署だ。個人的には次世代艦を使った戦術に練達していると言われているメルカッツ提督や、宇宙艦隊司令長官の引継ぎが終わり次第、正式艦隊の司令官になると言われているシュタイエルマルク提督の下で、前線を担う艦隊司令を目指したいとも思っている。
「ルントシュテット艦隊だとさすがにやりずらいからなあ。本当はメルカッツ提督の所に行きたいが、提督も父と親交が深いしどうなるかな?まあ、任官までまだ時間はあるし、まずは研鑽を積むと所からだな」
ディートハルトが最後の一口を飲み込みながらこの話を締めくくった。午後からは座学だ。普通なら満腹近くまで食べれば眠くもなるが、こいつは居眠りなどしたことは無い。よくよく観察すれば育ちが良い事がわかる。メルカッツ提督の下で、ディートハルトとともに研鑽するのも悪くないかもしれない。少しでも成績を上げれば希望を確認してもらえる可能性もある。食器をトレーに整理して返却口へ戻し、3人そろって食堂の出口へ向かう。座学が行われる教室が近づいて来た所で
「だから話の分からぬ奴だ。たかが2人分の席を用意することぐらい卿なら出来よう。簡単な話ではないか!」
「左様、成績が良いだけで平民が参加できるのに、なぜ皇室の藩屏たるブラウンシュバイク公爵家の一門である我らが参加できぬのか?筋が通らぬではないか」
なにやら癇癪を起こしたような声が聞こえた。おもわず3人で顔を見合わせるが、なにやら揉め事のようだ。見て見ぬふりはできない。声の方へ近づいていくとおそらく声の主であろう2人の背中越しに、貴公子然とした黒髪の少年が目に入った。誰かと思えばロイエンタール卿か。
「では、確認いたしますが、リューデリッツ伯主催の会食は、幼年学校の成績を基に参加者を決定しています。おそらく総合では無理でしょうから、各学科で5番以内に入られているのでしょうか?確か、幼年学校には『我儘学』は無かったと存じますので、無理な話でしょうが。」
立ち聞きしていた俺たちも、言い様がサマになっているので、揶揄していると気づくのに一瞬間があったほどだ。そしていつもの冷笑を浮かべている。俺の知り合いはなぜこうも一癖ある奴らばかりなのだろう。俺が歩み寄ろうとすると、肩をつかまれた。振り返るとディートハルトが首を横に振りながら大丈夫だ!っといたずらをするような表情を浮かべながら止めてきた。俺はロイエンタール卿を心配したのではなく、相手のお坊ちゃまを心
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