なんか異世界に勇者として召喚されたけどこのメンバーなら余裕
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時間はあるんだ。ゆっくり見ればいいし、分からなくても良い。今回みたいなことはもう二度とないさ。まあ、面白いとは思うぜ」
ジンの言葉にゼオンと二人で頷く。そうだな、今は同じ方向を向いているし、それほど長い時間をともに過ごすわけではない。旅は道連れ世は情けとも言う。とりあえず、共にいてみよう。
「へぇ〜、いろんな種族が通える学校ですか」
暇つぶしにジャックと元の世界での話をしていたのだが、興味を持たれたのだ。
「ああ、そうだ。大学に近い形ではあるが、学びたいことを学ぶための学校でな。その道の教え方が良い者を教師としている」
「その道に精通する方ではないのですか?」
「うむ。名選手が名監督に成れるわけではないからな。生徒を導けるならそれが正しい教師だろう。まあ、生徒も教師も理論派だったり、実践派だったり、感覚派だったりと様々だ。学びたいことを自分にあった教師について学ぶ。物凄く贅沢なことだと考えている」
「ええ、『先生』との出会いはその後の人生を決めるとても大事なことだと思います。僕自身がそうです。『先生』達に出会えたからこそ、今の僕があります」
「ジャックにそこまで言わせるか。私もそうありたいな」
私の授業を受ける者はそれほど多くもなく、荒くれ者たちがばかりだ。彼らとは肉体言語を通して教えを叩き込んでいるが性根までは治らない。こんなことでは何時まで経ってもソーナを支えれる男にはなれんな。
「所で、ジャックの先生は外科医なのか」
「そうですよ。ただ、ちょっと繊細な方でして今は外科医は引退されて子供達のお世話をしています。僕もお世話になっていました」
「そうか。外科医は大変なのだな。命を助ける仕事のプレッシャーは凄いのだろう」
「やりたくもない仕事も多かったみたいですしね。人が、正確に言えば大人が信じられなくなったのかもしれません」
「何かあったのだろうな。私も苦労したことはある」
「そうですね。両親は何か知っているようでしたが、先生は僕に知られたくない態度を取っていたので調べる気はありません。それに僕は今も苦労していますから。父上には悪いんですが公式書類上は死んでいるんですから、そっとしておいて欲しいんですよ」
「儘ならなんな。若い頃はこんなに苦労するとは思ってもいなかった」
「そうですね。昔は、このまま楽しく過ごせると理由もなく思っていました」
九十九も何か思うことがあるのだろう。聞き耳を立てていたのにそれが外れたからな。苦い思い出があるのだろう。
「浄化が終わったようだな。移動するぞ」
九十九が指示を出し、黒いライン上の何かが騎士たちを抱え上げて歩き始める。私達もそれに続いて移動を始める。城門は閉ざされてい
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