なんか異世界に勇者として召喚されたけどこのメンバーなら余裕
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「壊して大丈夫なのか?」
心配になって確認する。このまま術式が解けなかったら定期的に祓わなければならなくなる。
「見れば分かる。これは金魚掬いのポイだ。紙が破れて枠も取り上げられた状態ではどうにも出来ないだろう。記録は取ってある。これで解析は可能だ」
「けど、充電はどうするんだ?文化度的に電気なんてなさそうだけど」
「オレが最も得意とする魔術は電気だ。必要なら充電するが」
「へぇ〜、そんなことも出来るんだ。まあ、オレも似た感じで残ってるバッテリーを倍加して充電したりするけど」
「便利だなぁ。オレの魔術は決まった魔力量で使用者の、ゲームで言う魔攻の高さで発動するからそんな器用なこと出来ないんだよな」
話しながらもジンはロープで魔術師達を拘束して背中に担ぎ上げる。
「よし、逃げるぞ。退魔なんて喰らいたくないからな」
「退魔が効くような珠ではないだろう?それにあの詩樹という男、そこまで強い者じゃない」
ゼオンがそんなことを言うが、確かにな。ゼオンと九十九は群を抜いてヤバイが詩樹は普通だ。一流だろうけど、そこまで強くない。下の方だろう。
「単純な強さならそうだろうけどな。だが、その程度で喚ばれるものか?ジャックは、まあ、外科医としての腕が必要になるのかもしれない」
それは同感だ。ジャックは確かに強さ以外を求められて喚ばれているはずだ。それにジャックと名乗っているが、あれはミリキャスだ。心根はオレの知っているミリキャスと変わらない。戦うことをそれほど好んでいない。なら、外科医をやっていると言っていた以上はそちらの知識を求められたのだろう。だが、それだと
「詩樹は何故喚ばれたのか。他は超越者を超える戦闘力を有している中で、詩樹だけがない。たぶんだが、あいつは観察眼がずば抜けた上でコミュ力おばけだな」
「「観察眼とコミュ力おばけ?」」
観察眼は分かる。でもコミュ力おばけって、アレだよな、漫画なんかで純粋系主人公が持ってる誰とでも簡単に仲良くなる能力。
だが言われてみれば、詩樹の言葉で自然とパーティーが分かれてるし、疑問にも思っていない。これが一番合っているのは分かる。アザゼルからの仕事に似ている。報酬はないが、異世界だから仕方ないにしても普通にそれを受け入れてた。そもそも最初の召喚の時点で全員が全員を警戒していたはずなのに普通に矛をおろしていた。
洗脳とかそういうのじゃない。ただ、詩樹の空気に触れた結果だと自己分析する。警戒をするっと擦り抜けて来ていた。普通なら警戒するんだけど、あの苦労してそうな顔とお人好しそうな態度に警戒心が全く湧かない。
だが、それでよかったのかもしれない。あの時に最初に動いたのが他の誰かだったら絶対負傷してた。つまり詩樹に求められてるの
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