なんか異世界に勇者として召喚されたけどこのメンバーなら余裕
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とギリギリに近いぞ。
町の中央にはお誂え向きに噴水が設置されており、今も稼働を続けていたために多少の浄化の力が働いていた。それを確認してから近くの家に上がり、全裸になる。生憎と戦鬼のために開発された特殊防護服を着ていなかったため、このまま変身すると着替えが一着無くなるのだ。それほど多くは持ち歩いていないのでロスは減らさなければならない。
「くそっ、戦鬼になる予定なんてなかったからな」
変身音角を展開し、指で弾く。変身音角を額に持っていき、全身を紫炎が包み込む。それを払いのければ戦鬼・紫我楽鬼の姿が現れる。しばらくの間、音撃棒で近づく下級霊を祓っているとリアンが滅びの魔力を飛ばしてくる。
「おわっ、危ねえ!?」
「その声、詩樹さん?」
「そうだよ!!この姿の時は紫我楽鬼だけどな」
「何故そんな姿に?」
「この姿は戦鬼と言ってな、退魔師の一種だ。先程渡したのは鬼石って言ってな、戦鬼の清めの力を増幅してくれる。まあ、戦鬼の退魔法ってのが独特でな。打・管・弦に分かれる」
「だ、かん、げん?もしかして楽器?」
「その通り、魔に対して直接清めの音を叩き込んで祓う。こんな風に広域を祓うことは少ないが、やれないこともない!!」
噴水に音撃鼓を叩きつけて展開させる。音撃棒を構えて気合を入れる。
「近くにいると痛いぞ!!音撃打・猛火怒涛の型!!」
音撃鼓をリズム良く叩き、清めの音を街全体に響き渡らせる。範囲が広いからこっちも全力で叩かなければならない。大蟹相手よりも疲れる。
「はぁ〜、よいっしょー!!」
音撃を終え、下級霊の気配を感じなくなった所で顔だけ変身を解除する。
「あ〜、しんどい!!」
「お疲れ。確かに変わった退魔だね」
「だろう?おかげで戦鬼は皆、体を鍛えてる。引退時期はもうとっくに越してるけど、おっちゃん、接近戦は戦鬼が基本だから引退できないのよ。明後日は筋肉痛だな、これは」
「所で、なんで顔だけ戻ってるんだ?」
「この姿になるのに服が全部燃える。変身を止めたら全裸だぞ」
「……それって、どうなの?」
「普通は燃えない服を着てるんだけどな。今日は着てなかったから、そこの民家で脱いでから変身してるんだよ。というわけでちょっと着替えてくる」
扉の前でジンがハンドサインで中の様子を伝えてくる。中央に三人、右奥に一人か。部屋の中に障害物はなし。3カウントと同時にジンが最初に飛び込み、1カウント遅れてオレが飛び込む。全員の顎をかすめるようにジャブを叩き込んで抵抗を無くし、鳩尾を殴って意識を飛ばさせる。
終わった後にゼオンが入ってきてスマホで部屋を隅々まで撮影してから床の魔法陣を踏み抜いて破壊する。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ