第十五話 『艦娘』という存在
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難の報告は自分か大淀の個人に報告しろ』と進言していた。
しかし、今の報告は個人ではなく全体に向けて発したものだ。彼女の進言が無碍にしているようなものだから、そんな反応が返ってきても無理はない。
「すみませんね、『瑞鶴』さん。回線の変え方がわかりませんから全体で言うことしか出来ないんです。諦めてください」
『なら貴方に随伴する子たちに任せればいいでしょ? その子達の報告なら正確な座標が把握出来て、こっちとしてはものすごくやりやすいんだけど?』
凰香の言葉に、進言した艦娘ーーーー正規空母『瑞鶴』が呆れた様な声を上げる。
切り替え方を教えるって言う選択肢はないのだろうか? ないだろうな。
まあ教えられたところでやるかどうかはわからないが。
それよりも他の艦娘達は座標で場所を報告しているらしい。 だが、この辺の地理はまだ把握できていないので、悪いが瑞鶴には諦めてもらうしかない。
「こっちは着任したての新米提督なんです。至らない点があるのは当然ではないですか? それに、提督の声を聞いて安心するってこともあるかもしれないでしょう?」
『あなたにまともな会話を求めた私が馬鹿だったわ。大淀さん、避難ルートに変更はないわ。護衛部隊をお願い』
『了解しました』
大淀の返答があった瞬間、一方的に話を断ち切られてしまった。言われっぱなしなのもアレなので一言くらい文句を言っておこうと思っていたのだが、切られてしまっては仕方がない。
別に文句を言おうと思えば言えるが、それで情報の更新が遅れたらそれはそれで厄介だ。
とりあえず避難に関しては大丈夫だろう。
ちらりと時間を確認したが、凰香が無線で指示を飛ばしてからまだ一時間も経ってない。今までの報告を聞く通り、逃げ遅れた艦娘達の避難はあらかた終わったとみていいだろう。
しかし、こうも短時間で避難が終わるとは思わなかった。それだけ瑞鶴と大淀が優秀だったということを物語っている。
凰香が12cm単装砲で敵艦載機を撃ち落としていると、大淀から無線が入った。
『避難していないのは、軽巡洋艦の『川内』、そして駆逐艦の『曙』と『潮』です。なお、曙と潮に関しては海岸の方に走っていくのを目撃したとの報告がありました』
『それだけ避難できれば十分ね。艦載機達には敵機撃破を命じます。全て撃破次第、海上に向かわせる』
残り三人か。演習前に見た一団から考えると、割りとスムーズに避難できた方だろう。しかしまだ三人、しかも顔見知りの曙や潮も残ってるならなおさら急がわなければ。
(それにしても、なぜ海岸の方へ?)
凰香は疑問に思いながら、無線機に話しかける。
「了解、私は三人の捜索にあたります」
凰香
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