第6章:束の間の期間
第175話「忠義の騎士の復活」
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「でも……」
「私はフェイトのお姉ちゃんなんだから、こういう時くらい姉らしくしないとね」
なのはには、はやてとかの方を任せる。
多分、そんな時間の差もなく皆も目を覚ますだろうから。
「……お姉ちゃん……」
「(フェイトが私を名前どころか“姉さん”とすら呼ばない。……それぐらい、辛い状態にあるんだね……)」
フェイトの怯えた様子を見ると、私まで悲しくなってくる。
どうして、こんな事になるまで魅了をそのままにしていたのか。
どうして、私はその事に対して何もできなかったのか。
……考えれば、キリがない。
「(……ううん、今はフェイトの事!)」
キリがない。だから考えないようにする。
今はフェイトの方が大事だからね。
「……お姉ちゃんは、辛くなかったの……?」
「……辛かったよ。辛かったし、信じられなかった。でもね、同時に今までの自分を振り返ったら辻褄が合っちゃったんだ」
いくら緊急事態とはいえ、私もフェイトみたいに信じたくなかった。
でも、過去を振り返れば神夜の言うことには短絡的に信じていた。
その事実に、魅了されていたのは本当なのだと理解させられた。
「それはフェイトも同じでしょ?」
「……うん。信じられない程に、信じ込んでたよ……」
「私がすぐ立ち直れたのは……その時、優輝達が近くにいたからかな?」
「優輝達……椿や、葵も?」
「うん」
あの時、私はずっと守られたままだった。
今でもその時の無力感は悔しいものがあるけど、それとは別に感じるものもあった。
「守られてたばかりか、今までの自分が自分じゃない感覚に、頭がおかしくなりそうだった。……でもね、優輝達が“道”を示してくれたんだ」
「“道”……」
「“道”って言っても、具体的には私にもわからないけどね。でも、そのおかげで私はすぐに立ち直れた。まぁ、本人たちにそのつもりはなかっただろうけどね」
“道”を示された時、まるで“導かれる”かのようだった。
今までやってきた事の取り返しはまだ付くと、その“可能性”を示されたかのように。
「優輝達……多分、優輝かな?彼には、何か特殊な“力”がある。レアスキルみたいな……ううん、それ以上に強力なのにゆっくりとしか働かない、優しい力が」
「……それは……」
多分、今のフェイトは私の言葉を聞いて魅了を連想していると思う。
私も自分で言っておきながら、魅了と同じような力だとは思う。でも……。
「魅了とは違うよ。心を歪めるとはまた違う……まるで、希望を齎してくれるような、そんな感じなんだ。それに、優輝自身もその“力”に助けられてると思う」
「えっ……?」
これは勘だけど、
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