第6章:束の間の期間
第175話「忠義の騎士の復活」
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うな顔が忘れられない。
そのため、私の中にそんな後悔が渦巻く。
「(……いや、それでも心が歪められてるなんて、見逃せるはずがないね)」
心を歪められているという事実がある以上、その人は幸せにはなれない。
本人にとって幸せに思えても、それは仮初でしかないのだから。
「……今、戦闘が終わったみたい」
「勝ったみたいだわ」
そこへ、司と奏によって戦闘の結果が伝えられる。
「それで、帝はなんて?」
「別の部屋で拘束しておくみたい。様子見するらしいよ」
「そっか」
帝は持っている武具に関して右に出る者はいない。
全部貰い物だから帝も使いこなせていないけど、あの神夜すら拘束するアイテムぐらいは持っていると思う。
「う……ぅん……」
「っ、フェイト!?」
その時、フェイトから呻き声が聞こえた。
つい大声を上げてフェイトの傍へと駆け寄ってしまう。
「フェイトちゃん!」
なのはもすぐに駆け寄ってくるけど、今のは呻いただけだった。
それでも、私たちはフェイトを安心させるように片手ずつ握る。
「……魘されてる……」
「私がすぐに気絶させたけど、直前に皆は気づいたから、夢に出てるのかもね……。今までの自分が、本来の自分じゃないっていうのは、とても辛いからね」
魘され、寝汗を掻くフェイトをなのはは心配そうに見る。
他の皆も、よくよく見れば魘されているようだった。
「特に、フェイトは“フェイト”として新しく生きる前から、魅了に掛かっていた。ママの虐待を受けて、本当は精神的に辛い時に、魅了されてしまった。……つまり、フェイトにとっては精神的支柱だった人が、自分の心を歪め続けてたって事になるんだよ」
「……っ……」
例えそれが自覚がなかったものだとしても、フェイトにとってそれは一種の裏切りになる。ずっと騙されていた事になる。
……そんなの、耐えられっこない。
「だからこそ、目覚めた時に私たちがなんとかしないといけない」
「……そう、だよね……」
分かっていた事、覚悟していた事だ。
だから、何とかしないといけない。
「……それにしても、なのははここ最近で凄い成長したよね」
「えっ、そ、そうかな……?」
「うん。なんというか、驚くような事も簡単に受け入れるようになったというか……懐が広い?……とはまた違うかな」
私がそう言っても、なのはは自覚がなさそうだ。
「(多分、なのはがこうなったのは“あの存在”も関わってる。……現状でこれ以上の深入りはやめておこう。私じゃ、手に負えないだろうし)」
あの時、なのはの体に乗り移っていた存在。
あの存在がなのはの精神に影響を及ぼして
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