第6章:束の間の期間
第175話「忠義の騎士の復活」
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威力と速度が上がったため、神夜にとっては想定を上回った動きとなる。
そのため、投擲された武器で一撃二撃と防御を崩され、サーラの一閃で吹き飛んだ。
「ッ!」
―――“Springen”
サーラは、そこでさらに追撃に出る。
吹き飛ぶ神夜に対し、回り込むように移動魔法を発動。
吹き飛んだ先に移動したサーラはアロンダイトの刃を神夜に向けた。
その刃で神夜を受け止めた事で、神夜の体はくの字に折れ曲がる。
「ふっ!」
トドメに、その状態からサーラは神夜の首を掴み、地面に叩きつけた。
その際に魔力を流し込み、確実に気絶させた。
「え、えげつねぇ……」
初見だからこそできた、瞬間的な鎮圧。
大した搦め手を使っていないからこそ分かる圧倒的強さに帝は戦慄した。
「頑丈で力強いだけでは、私は倒せませんよ」
「(これで全然本気じゃないってのが恐ろしいぜ……)」
若干冷や汗を掻きながらも、帝はサーラの元へと歩む。
「……助かった、と言うべきか?」
「助けるつもりで目覚めた訳じゃないですけど……まぁ、そう思ってもらって構いません」
「そうか……」
当たり障りのない所から会話を始める帝。
帝にとって、サーラはまだ完全な味方とは思っていない。
悪い人物ではないと思っていても、警戒の方が強いようだ。
「……いくつか、聞きたい事がある」
「私の事について、ですね?」
「わかっているのか……」
癇に障るような言葉を選ばないように心がけながら、本題に入る。
尤も、喧嘩を売りに行く態度と言葉でなければまずい事にはならないのだが、そんな事を帝は知る由もない。
「私はサーラ・ラクレス。アロンダイトの中に魂を封じ込めていた過去の人間です。人としてならば私はもう死んでいます」
「だから、さっきは亡霊だと言った訳だな。……今の言葉からすれば、あんたはかつてのアロンダイトの主、という訳か?」
「そうですね。尤も、彼の魅了がなければ私がマスターのままでしたが」
「(魅了……やっぱり、わかってたのか)」
聞きたい事をはぐらされないため、確実に知りたい事を知っていく。
「魅了……デバイスにも通じたんだな」
「そのようですね。魅了により、無理矢理マスターとなっていたようです。魅了を防ぐ術式が完成してからはその登録は破棄されましたが」
「(さっきのエラーか)」
これでエラーを吐いた事に合点が行った帝。
「(にしても、アロンダイトも神様が作ったデバイスだと思ったが、違ったのか?ただ単に実際にあったデバイスを転移させただけだったのか?)」
「……どうしました?」
「……
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