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緑の楽園
第三章
第32話 絆の再始動
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すまぬ。言い忘れていた。報告では、少し離れたところに一時的に隠れられる地下室はあったのだが、抜け道はなかったらしいぞ。
 どうも、暗殺者はヤハラ経由で余のスケジュールを掴み、あの場にタイミングよくあらわれただけのようだ。あの場所自体がどこかとつながっていたわけではなかった」

「となると、本当に今のところは手がかりゼロだと思います」
「そうか……。まあでも、手がかりがなくてもやるしかないな。全土に手紙を出して情報収集にあたらせよう」

 国王が「あとは……」と言って考え込む。
 頭をフル稼働させているのだろう。

「そうだ、リク。他にも城に敵組織のスパイは混じっていると思うか?」
「うーん……。それはヤハラが何も言っていなかったので、なんとも言えませんが。範囲を城の外、首都まで広げれば、まだ他にいる可能性はありそうです」

「普通の人間と敵組織の人間を見分ける方法などは、あるのだろうか?」
「難しいでしょうね。強いて言えば『色が白いこと』ですが」
「冤罪がたくさん出そうだな」
「ですね。クロも捕まって火あぶりの刑になりそうです」

 クロのほうを見たら、睨まれた。
 怖。
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