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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
50話:予想外の未来
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えるだけでしたし」

政府系貴族と宮廷貴族が一時期騒いだ前進論だが、軍部の特に前線指揮官たちにとっては『後方で政治ごっこをやってる連中が勝手なことを抜かすな!』というのが本音だった。

「あれは前線指揮官にとっては喜ばしい話じゃ無かったからなあ。騒ぎが納まったあとは、方々から感謝されたものだ」

「シュタイエルマルク元帥とザイトリッツ様の合作で戦況は優位。このままいけば戦争には勝てるのだから、今、変なリスクを負う理由もないだろう......でしたか?その通りではありましたね」

俺たちも参加した第一次・第二次イゼルローン要塞攻防戦で、叛乱軍の屋台骨にヒビは入ったはずだ。長期戦に持ちこめば確実に勝てるのに、短期決戦に持ち込む必要など、軍部では誰も感じていなかった。

「シュタイエルマルク伯が軍務省に転出されたのも前進論を抑える為だろう?本来なら元帥の一番弟子として艦隊司令になっていただろうに。残念なことだ」

「艦隊司令の人事案を活かすために次官にはならなかったようですし、正式に宇宙艦隊司令長官の引継ぎが終われば、ご本人は正式艦隊の司令を希望するおつもりのようですよ」

「それは良かった。正直、我々の世代で士官学校で習ったことは今の艦隊運用では通じない部分が多いからな。理論実証をしっかり進めてもらわねば」

しばらくそんな話をしながら休憩した後、俺達はそれぞれが担当している建設エリアへ向かった。これでも准将だからな。それなりの責任を負っているのだ。
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