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レーヴァティン
第七十三話 出発その三
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「やっぱりな」
「切っていくとか」
「なくなるんだよ」
「そんなものか」
「ああ、だからな」
 それでと言うのだった。
「ここだってな」
「木がなくなっていったんだな」
「長い歳月かけてそうなったんだろ。だったらな」
「こっちもか」
「手間暇かけてな」
「植林か」
「やっぱり山には木がないとな」
 芳直もこう言った。
「土砂崩れとかにもなるしな」
「それに生きものも少なくなるからな」
「だからだな」
「ああ、山にはな」
「木が必要か」
「それでやばいモンスターも出るわね」
 夕子は空の遠くにグリフォンが飛んでいるのを確認した、そうして言ったのである。
「さっきキマイラもいたし」
「ああ、そうしたモンスターも棲む様になるしな」
「ああしたモンスターは岩山に棲むけれど」
「ここ殆ど岩山だからな」
「危ないわよ、連中は」
 グリフォンやキマイラといったモンスターはというのだ。
「ドラゴン並にな」
「そのドラゴンも棲む様になるしな」
「ええ、レッドドラゴンとかね」
 炎を吐き全身が赤い鱗に覆われているドラゴンだ、他にも様々な種類のドラゴンがいるがその数自体は極めて少ない。
「だからね」
「それでだな」
「出来る限りね」
「山には木が欲しいな」
「モンスターの害を減らす為にもね」
「そうなるな」
「ええ、私はグリフォンやキマイラはどうにかなるわ」
 獣使いとしてだ、夕子は久志に話した。
「操れるけれど」
「ドラゴンはか」
「まだね」
「そこまでの技量はないか」
「ドラゴンは最強のモンスターよ」
 文句なしにとだ、夕子はドラゴンについて語った。
「それも段違いでね」
「だからか」
「まだそこまでの技量はないから」
「ドラゴンを操る位にか」
「正直遭遇したくないわ」
 夕子は本音も述べた。
「倒すにしても巨人並に強いしね」
「そうだな、じゃあな」
「モンスターの害を減らす為にも」
「この山脈に植林していくか」
「そうしていこうな」
 二人でこう話した、幸いグリフォンはこちらには来なかった。一行は馬で山脈を越えたが馬を降りて歩く時も多く馬も進むのに苦労していた。
 それで馬を休ませることも多かったが久志は夜に仲間達に火を囲んで夕食を摂りつつこんなことを言った。
「馬も息が荒くなるよな」
「だからでござるな」
 進太が応えた、一行は途中戦闘になり倒した手に入れたキマイラの肉を食べている。獣臭い部分と山羊の味がする部分と鶏に似た味の部分それぞれある。
「休む機会を増やしているでござるな」
「ああ、さもないとな」
「馬も動けなくなるでござる」
「それだよな、馬だって生きものだしな」
 それでというのだ。
「疲れて倒れることもあるからな」
「無理はさ
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