旅は道連れ
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その瞬間、全体重をかけ戦斧を引き抜こうとしていた大男は支えを無くし、後方へ大きく吹っ飛んだ!
大男は2メートル程離れたテーブルの上に背中から落ちる…
大量の酒が並んだテーブルを酒瓶やグラスと共に押し潰し、大男の意識は遙か彼方に飛び去った…
そして静寂が包む中、緊張感の無い声が響き渡る。
「あー…この中で我こそはって言う人いない?魔王バカボンを倒す旅に協力してくれる人は!?」
「バラモスです!魔王バラモス!!」
「ん?あぁ…それそれ…!で、どう?」
周囲を見渡すリュカ…
しかし先程までの喧噪はなく、酔いの覚めきった自称冒険者達は俯き呟くのみ…
「アンタ…俺達に死ねと言うのか…」
「言ってないよそんなこと。僕も死にたくないもん」
「魔王バラモスなんて倒せるわけ無いだろ!…だから俺達は現実を忘れる為に、酒を飲み憂さを晴らしてんだ…」
何とも情けない事を言い切る自称冒険者…しかも、その意見に反対する者は現れない。
そんな静まりかえり俯く自称冒険者達の中を掻き分ける様に、二人の人影がアルルとリュカの前へやって来た。
二人のうち一人は少女で、身長は170に満たない僧侶風の美少女。
もう一人は少年で、身長は更に低く160あるかないかの魔道士風の美少年。
「お、俺はウルフ。まだ駆け出しだけど魔法使いだ!」
「あの、私はハツキです。その…見習いですが僧侶として頑張ってます。」
「俺達、絶対足手纏いにならないから連れていってよ!」
「私達孤児なんです!バラモスを倒す為なら頑張ります!」
ハツキはアルルと同年齢…ウルフは更に2、3歳年下であろう…
二人の真剣な眼差しがリュカに襲いかかる。
「僕に言わないで!僕に決定権は無いから!アルルに言って!」
リュカはたじろぎアルルに丸投げする。
アルルは少し引いたものの、笑顔で快諾。
奇妙なバランスの4人パーティーが結成された…
<アリアハン近郊>
「なぁなぁ!アンタ職業は何なんだ?さっき大男を吹っ飛ばしてたし、やっぱり戦士なのか!?」
好奇心旺盛の少年ウルフが、リュカを質問攻めにしている。
まだ城下を出て、それ程経過はしていない…
「さっきの大男の事なら誤解だよ。僕はあの人を吹っ飛ばしてないよ。振り下ろされた斧を掴んだら、放せって言うから放したんだ!そしたら勝手に吹っ飛んだ!」
リュカは嫌がることなく優しく話しかける。
「それに職業って何?今は見ての通りしがない旅人だけど…」
「え!?リュカさんは職業の事を知らないんですか?」
思わずハツキが質問する。
「リュカはこの世界の住人じゃないのよ!」
堪らずアルルが二人に説明をしてあげる。
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「へー!じゃぁアンタ別の世界から来たんだ!?」
「別の世界って…何だか
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