第三章
第31話 用意周到
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はあ。相変わらずよくわかんねーなお前」
この金髪少年は、その能力、年齢、人柄を考えると、恐らく町の宝のような人材なのだろう。
それを俺がしばらく占領するというのは、贅沢すぎて少し怖い気もする。
まあでも。
町長も知っていて、本人もそうしてくれると言っているのであれば。
お言葉に甘えさせてもらうことにしよう。
俺は、入り口横の床に顎をつけて休んでいるクロを呼んだ。
「クロ。起きてるか?」
「起きている。なんだ」
クロは立ち上がり、ベッド横まで歩いてきた。
「当分の間、カイルも一緒にいてくれるらしいが。どうだ?」
「そうか……。私も可能であればそのほうがよいと思う」
「お前もそう思うんだ?」
「ああ。この人間がいたほうが、お前はより安全になる」
クロも、彼の実力についてはよくわかっているようだ。
「兄ちゃん、クロは何て?」
「カイルがいたほうが俺は安全だってさ」
「へへ、てことはオレ評価してもらえてるのか。嬉しいな」
カイルがベッドから手を伸ばして、クロの頭を撫でる。
今回の神社での件などを見ていると、クロとカイルの相性は悪くないのだろう。
「あ、そう言えばさ。俺、お前が本気で戦っているところを初めて見た」
「あー、そうか。そうだよね」
「お前、めちゃくちゃ強いよな。びっくりしたよ」
「へへへ。もっと褒めて」
「やっぱり今の話は無し」
「へ?」
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