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銀河酔人伝説
酔っ払い、政治の師と出会う
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宇宙歴788年12月、エル・ファシルを巡る戦いから3か月が経とうとしていた。帝国軍はエル・ファシルを一時的には占領したものの、同盟軍の反撃を恐れたのか、惑星を放棄し、退却していったのである。同盟軍はエル・ファシルを奪還し現地の治安を回復させ、避難民の帰還も順調に進んでいった。
しかし現在、エル・ファシルでは大きく揺れていた。自由惑星同盟の今後を占うと言っても過言ではない一大イベント、自由惑星同盟議会代議員総選挙が、来年1月10日に告示を迎えるのだが、先日のエル・ファシルを巡る戦いの影響で、候補者の立候補がまだ進んでいないのである。
何故かというと、選挙区から出馬するためには、最低3ヶ月の居住実績がなければ、選挙区からの出馬が出来ないようになっているため、同盟の有力政党は安易に落下傘候補を擁立出来ず、また前回選出された現職議員がエル・ファシル失陥の際、何も行動を起こさなかったことを、世論から咎められ失脚、引退を表明し、事実上エル・ファシルの政界から追放されたため、後継者もおらず、有力な候補者が不在という異常事態に陥ってしまったのだ。

そんな混乱の中、一人の中年男性が、エル・ファシル宇宙港に降り立った。
彼の名はホアン・ルイ、自由惑星同盟議会の国政政党、社会改革党の書記長であり、最高評議会人的資源委員を務める政治家である。

「さて、それじゃあ組合事務所にお邪魔しようかね。」

と、秘書に話し、港湾労働組合事務所に向かった。彼の目的は、社会改革党の支持団体からエル・ファシル選挙区から立候補してくれる有力な人材を見つけることである。

「しかし書記長、本当にうまく人材は見つかるのでしょうか?」

秘書がそう尋ねると、

「それは私にもわからんよ。ただこの難局において重要な選挙区で不戦敗なんて話になったら我々社会改革党もその程度の政党だという事だろうな。まあ良い人が見つかることを願おうじゃないかね。」

そうホアン・ルイは答えた。

車が港湾労働組合事務所に到着し、中へ入ると、エル・ファシル港湾労働組合のトップである委員長が彼を出迎えた。

「ホアンさん、お久しぶりです。」

「ああ、久しぶりだね委員長。少し痩せたかね?」

等と、他愛のない会話をした後、エル・ファシルの状況について話し合った。

「そうか・・・ハイネセンではエル・ファシルの英雄殿のおかげで被害は殆どないというニュースばかりだったがやはり物的被害はそれなりに大きいようだね。」

「そうなんですよ!確かに民間人の被害はゼロでしたが、帝国軍の奴等は戦利品とばかりに持っていける物は片っ端から奪っていってしまったんですよ!おかげで私達はあれもないこれもないと四苦八苦しとるのです。」

「わかった。今度の人的資源委員会でこの事を取り上げるよ。それ
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