暁 〜小説投稿サイト〜
稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
49話:フェザーンの日々
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れに同盟の国民は、待ちの政策を容認するのだろうか?

「ヤンさん。我々はビジネスに関わる人間だ。もちろん信義を通すのは当たり前の話だが、自分の自由にならないことで思い悩んでも仕方ないでしょう?いつかお話頂いた忠告の話に通じるところがあると思いますが......」

「確かに、忠告できる立場でもありませんし、一度目の忠告のつもりが4度目の忠告になるかもしれませんね。それにしてもあの方はここまで読んでおられたのでしょうか?」

コーネフさんは少し困った表情をしながら、一度グラスを傾けた、少し考え込んでから

「そうであっても驚かないという所でしょうか?まだ32歳になられたばかりのはずですが、フェザーンに生まれていれば『今年のシンドバット賞』を10回は受賞していますよ。失礼があってはいけないという事で自粛していますが、フェザーン商人が息子につけたい名前の第一位はザイトリッツですからね。私自身も、あの方にお願いしてザイトリッツと名付けたかった位です。お許しは頂けそうですが、あとあと面倒ごとの種になっても......。と思いまして止めましたが」

ヤン・ザイトリッツか。響きは良くない。私もフェザーンに生まれていればザイトリッツと名付けたがったのだろうか?

「まあ、余談はこれ位にして、なにか良い話はありましたか?資材価格の下落予測はまだそこまで広まっていない話ですので、ヤンさんとも情報交換しておきたかったのです」

コーネフさんも話題を変えたかったのか、二人でいつもする話題がやっと出てきた。金銭育ての名人としてはこういう話をしているのが一番性に合う。普段以上に酒が進む場だったが、コーネフさんも色々ご苦労されているのだろう。お互いに少し飲み過ぎてしまった。

宇宙歴778年 帝国歴469年 12月下旬
フェザーン自治領 某所
フェザーン自治領主ラープ

「総大主教猊下、お応えください。ラープでございます」

「うむ。ラープか、自由惑星同盟への浸透が進んでいる件は聞いておる。励んでおるようだな」

「ははぁ。ありがたきお言葉でございます。とは言え、帝国が思った以上に力を伸ばしております、その件でお考えをお聞かせいただければと存じました次第でございます」

「その件か。帝国は辺境星域の開発も順調。同盟との戦争も優勢に進めておる。消耗させる意味で前進論を唱えさせたが、うまくかわされたようじゃな」

「はい。我らの力が及ばず、面目次第もございませぬ。要人の暗殺も考えましたが、効果が見込める人材の暗殺を行えば、かなりのリアクションが予想されます。いささかリスクが大きく、最悪内戦にもなりかねませぬ」

「そうじゃな。確かにまだ乾坤一擲の勝負をかける段階ではないであろうな」

「幸いにも、皇太子の近辺に策をめぐらせる余
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