03.過去語
ー双子と王様ー
過去語ー双子と王様ー 六
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
一ヶ月。
「……コト?」
「あっ、何時も此の役立たずを手当てしてあげてる、可哀想な子じゃん!」
「君達、こんな奴に騙されちゃいけないよ? 此奴は、親の権力で全て満足させて貰っているのに、ロクな成果も上げられない様な、悪い奴だ。君達は未だ子供だろう? こんな奴に成っちゃいけないよ?」
「…………」
何時もの集合場所には、琴葉に加え、琴葉を虐める白猫の構成員が居た。
「一寸、コトの事を悪く言わないで!」
「君、駄目だよ。此奴に騙されちゃ。此奴は、君が知っている事が全てじゃない。もっと沢山の事を為ているんだ」
「あ、良いこと思い付いた! ねぇ、役立たず幹部! 此の銃で二人を撃ってよ! そしたら、もう許してあげるよ! あ、此れにはしっかりと二発しか入ってないから、絶対外さないでね?」
琴葉は構成員一人から銃を受け取り、アリサとユリアの前に立たされる。既に息が荒く、血を流している琴葉。ふらふらと為ながらも、ゆっくりと銃を構える。
「………サちゃ……とユリ………を巻き………」
「んー? 何だってー?」
琴葉がぼそっと呟くと、聞き取れなかったらしい構成員が反応する。
「リサちゃんユリちゃんを巻き込むなッつってんだよ!!」
琴葉はそう叫ぶと、自分の頭に銃を突き付け、二回引き金を引いた。
「「コトっ!!」」
倒れる琴葉に手を伸ばすアリサとユリアだが、その手が琴葉に触れることは無かった。
だが、倒れる寸前、何も無い場所から急に腕が出て来る。そして、其れは琴葉を受け止め、段々と琴葉の躰を引っ張っていく。すると、躰は何かに吸い込まれるように、段々と消えていく。
「は、はあっ!? 何!?」
「能力者か! 其奴を逃がすな!!」
アリサとユリアも、その腕に引っ張られ、消えていった。
◇ ◆ ◇
「さて、あれは如何言うことだか説明してくれるかい?」
「能力で私は簡単には死ねませんのでまぁ後は何とかなるだろって言うテンションでてきとーに撃ったら此処に居ました」
「うん、其れもそうだけどそうじゃない」
フランと琴葉は向かい合わせで座り、面接の様に話し合っていた。
「彼等が君を虐める奴等かい?」
「あ、そうです。気にしてませんけど。痛みには慣れてるので」
淡々と言う琴葉に、フランは肩を落とす。長い溜息を吐いて、机に突っ伏す。
「あーもー、君のそーゆーとこ、直していかなきゃ駄目だと思うのだけど? 『痛みには慣れてる』? そーじゃないの!」
「私が気にしてないのですから、別に良いじゃないですか。別に、慰めて欲しくて貴方に会っている訳ではありませんし、慰めて貰うとか聞いただけで吐きそっ……」口元を手で覆い、そっぽを向く琴葉。フランは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ