いい加減に終われネタ集
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アズのこちら側の法則に綻びが生じ、アズの肉体は段々とあちら側、すなわち重傷を負った姿に近づいていきます。それでは最終的にレゾンデートルが維持できなくなるのですが、同時にデストルドウを形として宿したアズがこちらで完全な形になる事は、レゾンデートルをこちらの世界に完全に固着させる事にもなります。
今は不完全な状態での顕現ですが、有限の魂を削るデストルドウに対し、神という途方もない魂を糧とするレゾンデートルは常に全力を出せるようになり、そうなるともはや攻撃範囲はオラリオという街そのもの飲み込むほど拡大してしまいます。
アフラマズダは闘いながらも外の人間たちにさえ実体のない分体を送り声をかけます。ベルの生い立ち、リリの抱えた闇、ヴェルフを取り巻く薄汚い声……それだけにとどまらず、この戦いに参加するあらゆる者の不幸を語り、そんな不幸を生み出す世界を自ら存続させ続ける事を選ぶのか、と問います。
そして、その最大の不幸の塊とも言えるオーネストにも、問います。
対し、オーネストの答えは単純明快でした。
「お前、バカか。闇も悲劇も不幸もない世界?平等な世界?作りたきゃ自分の日記の隅にでも作ってろ。血反吐吐いて裏切られて泥を舐めて……それでも目を開いたらそこに現実って奴が転がってて、そこを命ある限り彷徨い歩く。それが、人間が生きるって事だろう」
彷徨うこと、それが人の生。
自分を貫き通す事を好むオーネストにとって、正解など存在しないあやふやな世界であるからこそ、その世界を自分の足で歩み、悩み、後悔し、それでも続け、最期に自分が自分であり続けたと言う事が出来る人生こそが至上。
誰かに歩かされる人生ならば、歩かせようとする何かを殺す。
すべてが平等だとのたまう世界なら、平等であることが自分の邪魔をするなら平等を破壊する。
きわめて簡単に言うと、アフラマズダの「神なき世界」は、押しつけがましいのが気に入らない。
「人様の人生に口出ししてんじゃねえよ。俺は、例えオラリオの連中が全員ウンと頷いたとして、お前ののたまう未来はいらないね」
「そういう、事だわな……そりゃ、俺らにはいらないモンだ」
アズが、全身がずたぼろになりながら目を覚まし、そう言いました。
瞬間、レゾンデートルの力が急速に弱まっていきます。
「おぉい、オーネスト。悪ぃが俺、あっちに帰らなきゃならんみたいだ。こいつも一緒に連れてくわ」
『なっ――アズライール!!貴方はそれがどういう意味か理解しているのか!?君は、もう二度とこちら側には来られない。あのスラムの幼子たちとも、リリルカとも、ゴースト・ファミリアの面々とも、ロキとも!!――アキレウスとも二度と再会出来なくなるんだぞ!?』
「煩いガキんちょだな。いいんだよ、俺がいくって決めたんだ
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