幕間の物語
運命の出逢い
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れた服を取り替える。
俺は武器以外の普段の格好になると、外に出た。
朝霜と霧が濃くてあまり景色は楽しめないのが残念だ。
「おはよう、アヤト」
「ん?キリトか。おはよう」
後ろの扉からキリトが顔を出した。
キリトも既に着替えており、俺の隣に立った。
「なぁキリト。一つお前に聞きたいことがあるんだけどさ」
「何だよ。急に改まって」
キリトは不思議そうに俺を見つめる。
俺は数秒話す内容を整理して言葉に出した。
「真っ白いコートを着ていて、身長は俺たち程で、顔は何というか中性的というか……雰囲気キリトに似てるんだけど知らないか?」
「?……知らないな。白を基調とした装備の人だっていうなら血盟騎士団なのか?」
「いや、多分あれは血盟騎士団の制服じゃないな。どちらかといえば、お前のそのコートに似ていたかな」
「これか?うーん。やっぱり知らないな……その人がどうかしたのか?」
「…………いや、なんでもない。やっぱり忘れてくれ」
「そうか?分かった」
沈黙。
俺たちは霧の中を見つめる。
(き、気まずい……。そりゃあその人が夢で出て来てキリトと話をしていたから聞いたなんて言えないわ。ん?)
俺に一件のメッセージが届いた。さっとメニュー欄を開いて開封してみる。ネズハからだ
「キリト。ちょっとネズハの所に《ライト・コンダクター》を取りに行くよ。丁度メンテナンスが完了したって。すぐ戻る」
「おう、いってら」
圏内だが、一応《クラレット》を装備して霧の中を歩いて行く。もうすぐ転移門だ。
俺は眼を凝らしていると、あったあった。
「転移!《タラン》!」
体が光りはじめ、目を開けるとそこには第2層のタランの街が────って、あれ?
俺は目を開けて辺りを見渡す。
「タランじゃ……ない?ここ、どこだ?」
街の中なのはわかるが、この雰囲気は明らかに第二層ではない。何だココ?
「とりあえず現在地現在地っと────は?」
第76層《アークソフィア》
「だ、第……76……層?そんな馬鹿な……つい最近74層を突破したばかりだぞ……。よく分からないが、早く《タラン》に行こう。転移門に触れて……転移!《タラン》!」
俺の声が寂しく木霊する。転移による体が光るエフェクトも発生しない。俺は冷や汗が一筋流れるのを感じた。
「転移!《タラン》!何で何も起こらないんだ!?転移!《タフト》!転移!《グランザム》!転移!《はじまりの街》!」
どれだけ言っても何処を言っても反応がない。
転移結晶を出してみても結果は同じ。どれだけやってもこの76層から下の層に行けない。
仕方ないこうなったらキリトに────。
「えっ……」
な、何でキリトの文字に棒線が引いてあるんだ……
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