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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第五十話 出稽古
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服の上着を脱ぎ、裸足になる。
「すぐにおにいちゃんが見つけてやるからな。待ってな!」
アスカはバシャバシャと川の中に入っていく。
「あっ!で、でも!」
「大丈夫、大丈夫!」
「その川、すぐに深くなってるの!」
ドボンッ!
少女の声が届いたと同時にアスカが川に沈む。
「それに、深い所は流れが早いってお父さんが……」
そのまま川下に流されるアスカ。だが、
「うおぉぉぉぉぉ!」
雄叫びと共にクロールで浅瀬まで戻ってくる。
アスカはゼェゼェと肩で息をする。
「そ、そりゃそうだよなぁ。安全な川だったら、お嬢ちゃん、自分で取りに行ってるよなぁ」
ずぶ濡れになったアスカが川を振り返る。
「危ないよぉ。ペンダントはいいから、早く上がって」
「大丈夫!こう見えてもお兄ちゃんは管理局の人だ。困っている人がいるなら助けないといけないからな!」
どやぁ!
完全に胸を張るタイミングを逃しているのにもかかわらず、アスカはドヤ顔をする。
「しかし、これじゃ流されたかもしれないな……」
《どうしますか?》
「とりあえず、近場の水中から、片っ端から探そう」
《……》
あまりに頭の悪い答えを聞いて、ラピッドガーディアンは絶句する。
(このマスター、大丈夫でしょうか?)
そう失礼な事を考えても、ラピッドガーディアンを責める事はできないだろう。
「行くぞ、ラピ!」
《ちょっ!マスター!?》
ラピッドガーディアンが答えるよりも早く、アスカは川に飛び込んだ。
(ダメだ、このマスター……早くなんとかしないと!)
流されては戻り、戻っては流される。
そんな事を小一時間ほど繰り返したアスカ。
「くっそー!川が広すぎる!一人じゃ無理だ!」
アスカはバタリと少女の横に倒れ込む。
意固地になって川に飛び込んでみたものの、結局ペンダントは見つからず、ただ体力を消費しただけだった。
「お兄ちゃん。もういいよ」
流れの早い川から戻ってきアスカに、少女は別の意味で涙目になる。
「……もうちょっとガンバロ」
少女の困った顔を見ると、何とかしてやりたくアスカ。
もっとも、今はアスカが川に飛び込むのをやめて欲しいと言う困り顔なのだが、当の本人はそれにまったく気づいてない。
アスカは、闇雲に飛び込むだけではダメなんじゃないかと思い始める。
「なんか良い手はないか、ラピ?」
限界を感じ始めていたアスカが、イヤーカフに助言を求める。
《……なぜ、私の広域スキャンを使用しないのですか?》
そう答えるラピッドガーディアンの声は、どこか呆れている感じがした。
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