最終話 神の国へ
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「なによ?」
「…神の国に着いたら、手紙寄越しなさいよ。あとお土産の一つや二つくれると嬉しいわね。」
「観光じゃないのよ。」
「なにが欲しいんだい?」
「アルマロス!」
「ふふ、ははは。」
アルマロスは、笑った。
『相棒、早く行こうぜ。』
アルマロスの腰にあるデルフリンガーが言った。
神の国へ行くのは、封印した堕天使のことをどうにかするためでもある。このまま地上に封印していてもいずれまた何かの拍子に出てくるかもしれないからだ。
「じゃあ、行こう。ルイズ。」
「ええ、アルマロス。」
二人は手をつなぎ、旅立って行った。
その後、こんな神話が生まれた。
異界から来た堕天使は、ハルケギニアの神によって神の国に招かれ新たな天使となり、その堕天使を呼び出した人間が、神の国召し上げられた。
その人間は、新たな天使と共に、アルビオンの大陸に封印されていた堕天使を神の国の牢獄に永遠に封印したという。
ハルケギニア神の国召し上げられたのは、人間の少女で、名を、ルイズといった。
***
「ああ、うまくいったよ。無事にこの世界の神に気に入ってもらえたようだ。…なんだって? 娘は余計だったって? 別にいいじゃないか。結果オーライだよ。じゃ、またかける。」
黒い衣装をまとった、美しい男がひとり、携帯電話というもので電話をしていた。
「まさかこんなことになろうとはのう…。」
「結果良ければすべてよしさ。それはそうと、ちょっと見ない間に随分と年を取ったね?」
「そりゃそうじゃ、あれから三十年も経ったんじゃからのう! お主はちっっっっっとも変わっとらんな! 憎らしいほどに!」
「三十年か。私にとっては、つい昨日のことだ。」
「憎らしい! まったくもってもって憎らしい力じゃわい! 時間操作と時間移動とはのう! それに異世界にも渡れるとは、どこまでハイスペックなんじゃ!」
「ふふふ、羨ましいかい? そーかそーか。」
「ああ、憎たらしい笑い方じゃ! 美しいだけに余計にな!」
オスマンは、ギャーギャーと騒ぎ、目の前にいる美しい男に文句を言っていた。
「まあ…、これで、多少は、イーノックも許してくれるかな? 散々グチグチ言われたからね、“あいつ”について…。」
男は、面倒くさそうに頭をかいた。
男は、やがて学院長室から姿を消した。
「あっ、こら! 消えるんじゃない! まったく、突然きて、突然帰っていきおって! ちっとも変わっとらん! ちーっとも変わっとらん!」
オスマンは、男が消えた後も、ぶつぶつ言っていた。
新たな神話の裏にあった、黒い天使の暗躍については、どこにも記さ
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