最終話 神の国へ
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実は変わりません。」
「いいえ…。そんな綺麗な目をした堕天使を、私は知りません…。」
アンリエッタは、首を振ってそう言った。
やがて、アンリエッタの救出に来た、魔法衛士隊が駆けつけ、アンリエッタは無事に保護された。
彼らは、アルマロスの姿を見ると驚愕した顔をした。
そりゃ、二色の翼を持つ天使がいたら、驚くだろう。
アルマロスは、彼らの反応を見て笑った。
***
「えーーー! ダーリン、出ていくの!?」
キュルケが叫んだ。
あれから数週間たち、すべてが落ち着いたころ、アルマロスが急に言い出したのだ。
「僕は、神の国へ行くよ。」
っと。
「せっかく、ダーリンとお喋りできるようなったのに…残念だわ。」
「ごめんね。でも、僕を呼ぶ声が聞こえるんだ。あの時…、デルフと出会うきっかけになった時のように。」
「アルマロス…。」
「ルイズ。」
そこへルイズがやってきた。
なぜか旅支度をした格好で。大きな荷物を持って。
「私も行くわよ。」
「なんで!?」
キュルケが叫んだ。
ルイズは、微笑み。
「あのね、あれから私、全然魔法が使えなくなっちゃったの。」
「いつもの失敗魔法でしょ?」
「違うの。爆発もおこらなくなっちゃった。」
あっけらかんと、ルイズは、言った。
「アルマロスのルーンも、消えちゃったしね…。」
アルマロスの体にあった、ルーン。ガンダールヴとリーヴスラシルのルーンは、なくなっていた。
あの時、アルマロスが翼を手に入れた時に砕け散ってしまったのだ。
…ルイズの虚無の力と共に。
「だから、事実上の退学。家も勘当ね。メイジとしての生命はあの時終わっちゃった。」
「あんたそう言う割には嬉しそうね。」
「そう? なんだか色々重荷がなくなって軽くなったからかしら?」
ルイズは、うきうきした様子だ。
「ルイズ、本当にいいのかい?」
「何言ってんのよ。もう主従関係じゃないけど、私、あなたについていくって決めたの。私のメイジとしての人生を捧げたんだから、責任取ってよね?」
「うう…、そうだね。」
「なーんて、嘘よ。ただついていきたいだけ。ずっと一緒にいたいの。それじゃ、ダメ?」
「…そんなことないよ。」
アルマロスは、微笑んだ。
「じゃあ、行きましょう。もう退学届けも出したし、家にも手紙が届いている頃だろうし。追手が来る前に行きましょう。」
「追手って…。」
「私の親厳しいのよ。天使とはいえ、誰かと一緒に駆け落ちしたなんて聞いたら、閉じ込められちゃうわ。」
「そ、そうなの?」
「早く行きましょう!」
「ちょっと、ルイズ!」
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