第二十一話 屍のウェールズ
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ではないということだ。
その姿と、アルマロスの絶叫に、ルイズは、詠唱を止めかけた。
だがアルマロスがすべてを賭けているのを感じて、詠唱を再開した。
涙がにじむ。心が痛い。だがやめるわけにはいかない。
アルマロスが命を懸けているのだ、自分がそれに応えなくてどうするのだと自分に言い聞かせる。
弾ける水の波を、そして迫って来る水の城のような巨大な水の竜巻から、ダーク・アルマロスがルイズを守る。
ダーク・アルマロスを中心に、水は左右に割れ、ルイズには当たらない。
先に詠唱が完成したウェールズとアンリエッタが、水の城のような巨大な水の竜巻をこちらに向けて来た。
ダーク・アルマロスの巨体が水の竜巻を受け止めた。
『フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!』
押し返す様な体制で、耐える。
ガリガリと嫌な音が鳴るが、ダーク・アルマロスの体は削れない。
ずりずりと、巨体が後ろに後退しそうになる。
ダーク・アルマロスの巨体がルイズの眼前まで迫った時、ルイズの呪文が完成した。
水の竜巻が、バシャーンと滝のように落ち、竜巻が消えた。
次の瞬間、ダーク・アルマロスがウェールズに迫り、巨大な顎で捕えた。
「う、ウェールズ様!」
『フォォオオオオオオオオオン!』
ウェールズを顎で捕えたまま、ダーク・アルマロスが上を仰ぎ見るように仰け反った。
「……ありがとう。」
ウェールズは、微笑み、そう言った。
ああ、彼は…、間違いなくウェールズだと、アルマロスは思った。
次の瞬間、凄まじく鋭い水のエネルギーがウェールズを貫き、粉々に砕いた。
まるで氷が砕けるように弾けたウェールズの体は、チリとなって消えた。
アンリエッタの悲痛な悲鳴が木霊した。
「姫様…。」
「ウェールズ様、ウェールズ様ぁぁぁぁぁ!!」
泣き叫ぶアンリエッタに、ルイズが近づいた。
『フォオオオン…。』
「よくも…よくも、ウェールズ様を!! 堕天使、あなたを許しません、絶対に許さない!」
アンリエッタは、ダーク・アルマロスを睨んで罵倒した。
「大丈夫だよ。アンリエッタ。」
「え?」
そんなアンリエッタの肩に、ポンっと手を置く人物がいた。ルイズは目を見開いた。
「ボクハ…ダイジョウブサ…。」
「ヒッ!」
「オヤ? ドウシタンダイ?」
「い…いやああああああ!」
アンリエッタは、打って変わって、濡れた草原の上を四つん這いで逃げた。
その人物は、自分の手を見た。
「アア…、イケナイ。直しきれなかったか。』
途中からウェールズの声から、あの氷の堕天使の声に変った。
『いやー、驚いたよ。そんな力がまだあった
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