第二十一話 屍のウェールズ
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。
しかしウェールズは倒れず、アーチがあっという間に穢れた。
「!!」
「どうやら思っていたより、君の力は弱っているようだね。」
「フォ…。」
「限界が近いんじゃないのかい?」
「っ……、フォオオオン!」
指摘され、唇をかんだアルマロスだが、すぐに叫び、アーチを浄化した。
しかし浄化しきれなかった。
「っ!?」
「はは、本当に限界なんだね?」
「引きなさい、ルイズ! 私達を行かせて!」
「いいえ! 姫様こそお目を覚ましてください!」
「あなたを殺したくないの!」
「引きません! 私は…、アルマロスは、引きません!」
ルイズが杖を構え、アルマロスの横に立った。
ルイズを見たアルマロスに、ルイズが目を合わせ、微笑んだ。
その時、雨が降り出した。
「見なさいこの雨を! 雨の中で水に敵うと思っているの!? この雨で私達の勝利は確実なものとなります!」
「アルマロス、水のあなたの得意分野でしょ?」
「……。」
「やっぱり限界なの?」
『なあ、娘っ子。祈祷書は持ってっか?』
「何よこんな時に?」
『いやなぁ…。今思い出したんだわ。なあ、相棒、時間稼ぎぐらいならなんとかなるだろ?』
「…フォオン。」
『相棒のためだ。娘っ子。おめぇも死力を尽くしな! 相棒もな!』
「フォン!」
「ええっ!」
ルイズは、始祖の祈祷書をめくった。
そこに書かれたルーン。『ディスペルマジック』を見つけた。
屍のウェールズが風の詠唱を始めると、アンリエッタがそれに合わせて水の詠唱を始めた。
やがて二つの魔法は、巨大な水の竜巻となった。
王家の血のみが可能にする、王家のみに許された、ヘクサゴン・スペルが完成したのだ。
謳うようにルイズがルーンを唱える。
アルマロスがそれを守るように水の竜巻を前にして立ちふさがる。
限界の身体。もう水をまともに操れない。
ならばと、アルマロスは、腕を降ろし、目をつむった。
『待て、相棒、それは!』
「フォォォン…。」
アルマロスは、微笑み。腰にあったデルフリンガーをルイズの横に落した。
ゴボリッとアルマロスの体から闇が溢れ出た。
それは、アルマロスの体を包み込み、巨大化させた。
『フオォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!』
人間の体を捨て、怪物の姿と成り果てる。
かつていた世界で、アルマロスを始めとした堕天使たちが持っていた最後の技。
ネザー化。
鯨に似た、上顎と下顎と尾を持つ、ロボットのような黒い巨体が現れた。それは、アルマロスが召喚された時に見た、アルマロスの最初の姿だった。ただ違うのはボロボロ
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