第二十話 堕天使vs堕天使
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堕天使は、細い腕に氷を纏い、ベイルを受け止めた。
『異界の叡智か…。これはまともに喰らっては、我もただではすまんな。だが…。』
堕天使は、細腕からは想像もできない力でアルマロスを弾き飛ばした。アルマロスは、地面に着地した。
『扱う者が不完全では真の力を発揮できまい。』
「フォオオオン!」
アルマロスは、アーチに持ち替え、斬りかかった。
堕天使は、氷の剣を出した。
『遊んでやろう。』
「フォォォォン!」
アルマロスのアーチと、堕天使の氷の剣がぶつかった。
するとアーチがあっという間に黒ずんだ。
「!」
『ククク…、どうした?』
慌てて、離れたアルマロスは、アーチを浄化した。
『ほう? いちいちそうやって闇を浄化するのか? 面倒なことだ…。』
「っ…。」
アルマロスは、冷や汗をかいた。
アーチが一瞬にして穢れるほどの闇を、あの堕天使は持つのか。そう考えると、自分との格がまるで違うと思った。
果たして今の自分の力で、この堕天使に勝てるのか?
いや勝つ勝てないの問題じゃない。ここで立ち向かわなければ…。
アルマロスは、ちらりと、ルイズや他の生徒達を見た。
彼女らを守れない!
そう決意したアルマロスは、強く堕天使を睨んでアーチを構えた。
そんなアルマロスを見て、堕天使は、クククっと笑い。
『今回は、ここまでにしてやる。次回はもっと遊んでやろう。それまでおまえの命が持てばな。』
そう言って、雪と氷となって消えた。
堕天使が消えた後、少し間をおいてアルマロスは、片膝をついた。
「アルマロス!」
ルイズが駆け寄った。
「だいじょうぶ!?」
「フォォォン…。」
アルマロスは、額ににじんだ汗を拭いながら立ち上がり、ルイズの頭を撫でた。
しかしアルマロスは、ふらつき、再び膝をついた。
「アルマロス!」
「フォ…ォォン…。」
アルマロスは、強烈な脱力感と、右胸の痛みに耐えられず、ついに倒れた。
ルイズの悲鳴と、生徒達が騒ぐ声が遠い。アルマロスの意識は闇に堕ちた。
***
アルマロスは、闇の中で、誰かと向き合っていた。
『頼む…。助けてくれ…。』
その声は聞き覚えがあった。
『アンリエッタが危ない…。助けてくれ。今の私ではどうすることもできない。どうか…私を…。…止めてくれ。』
ウェールズ!
アルマロスは、そう叫ぼうとしたが声が出ず、伸ばした手もウェールズには届かなかった。
「アルマロス!」
「っ……フォ…。」
目を覚ましたアルマロスは、ベットで寝たまま手を伸ばしていた。
「嫌な夢を見たの?」
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