暁 〜小説投稿サイト〜
アルマロスinゼロの使い魔
第二十話  堕天使vs堕天使
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
堕天使は、細い腕に氷を纏い、ベイルを受け止めた。
『異界の叡智か…。これはまともに喰らっては、我もただではすまんな。だが…。』
 堕天使は、細腕からは想像もできない力でアルマロスを弾き飛ばした。アルマロスは、地面に着地した。
『扱う者が不完全では真の力を発揮できまい。』
「フォオオオン!」
 アルマロスは、アーチに持ち替え、斬りかかった。
 堕天使は、氷の剣を出した。
『遊んでやろう。』
「フォォォォン!」
 アルマロスのアーチと、堕天使の氷の剣がぶつかった。
 するとアーチがあっという間に黒ずんだ。
「!」
『ククク…、どうした?』
 慌てて、離れたアルマロスは、アーチを浄化した。
『ほう? いちいちそうやって闇を浄化するのか? 面倒なことだ…。』
「っ…。」
 アルマロスは、冷や汗をかいた。
 アーチが一瞬にして穢れるほどの闇を、あの堕天使は持つのか。そう考えると、自分との格がまるで違うと思った。
 果たして今の自分の力で、この堕天使に勝てるのか?
 いや勝つ勝てないの問題じゃない。ここで立ち向かわなければ…。
 アルマロスは、ちらりと、ルイズや他の生徒達を見た。
 彼女らを守れない!
 そう決意したアルマロスは、強く堕天使を睨んでアーチを構えた。
 そんなアルマロスを見て、堕天使は、クククっと笑い。
『今回は、ここまでにしてやる。次回はもっと遊んでやろう。それまでおまえの命が持てばな。』
 そう言って、雪と氷となって消えた。
 堕天使が消えた後、少し間をおいてアルマロスは、片膝をついた。
「アルマロス!」
 ルイズが駆け寄った。
「だいじょうぶ!?」
「フォォォン…。」
 アルマロスは、額ににじんだ汗を拭いながら立ち上がり、ルイズの頭を撫でた。
 しかしアルマロスは、ふらつき、再び膝をついた。
「アルマロス!」
「フォ…ォォン…。」
 アルマロスは、強烈な脱力感と、右胸の痛みに耐えられず、ついに倒れた。
 ルイズの悲鳴と、生徒達が騒ぐ声が遠い。アルマロスの意識は闇に堕ちた。





***





 アルマロスは、闇の中で、誰かと向き合っていた。
『頼む…。助けてくれ…。』
 その声は聞き覚えがあった。
『アンリエッタが危ない…。助けてくれ。今の私ではどうすることもできない。どうか…私を…。…止めてくれ。』

 ウェールズ!

 アルマロスは、そう叫ぼうとしたが声が出ず、伸ばした手もウェールズには届かなかった。


「アルマロス!」
「っ……フォ…。」
 目を覚ましたアルマロスは、ベットで寝たまま手を伸ばしていた。
「嫌な夢を見たの?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ