第十九話 堕天使と水の精霊
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と僕らが水の精霊の涙を手にいられられなくなる。」
「フォオオン。」
「えっ? もう一度水の精霊と交渉するって? 応じてくれるだろうか…。」
ギーシュの不安を他所に、アルマロスは、再びラグドリアン湖に向かい、湖面を歩いた。
中央に行くと、水がうねりだし、再び水の精霊がアルマロスの姿を模して現れた。
『約束できるのか?』
「フォオオン。」
『……いいだろう。おまえの命が尽きるまでの間に、必ず。』
「…フォオン。」
短いな…っという風に、アルマロスは少し俯いて声を漏らした。
水の精霊は、再びラグドリアン湖の水に戻っていった。
「フォ、フォオオン!」
『すまない。忘れていた。』
そう言って、ピチピチと湖面が揺らぎ、水の塊が宙に浮き上がり、アルマロスがそれを手で受け止めた。
アルマロスは、水の精霊の一部である、水の精霊の涙を持って、湖面から陸地に戻った。
そして手にすくうように持っている水の精霊の涙を、モンモランシーが持ってきた瓶に入れた。
「これで一件落着?」
「フォオン。」
アルマロスは、頷いた。
「ねえアルマロス…、本気でアンドバリの指輪を取り返しに行くの?」
「フォオン。」
約束だからだと、アルマロスは字を書いた。
「アルマロスに何かあったら、私…。」
ルイズは泣きそうになりながら言った。
アルマロスは、ルイズの頭に手を置いて撫でた。
こうして、水の精霊との交渉(?)は、終わった。
***
学院に帰って早々、モンモランシーは解除薬を作った。
惚れ薬を作ったということを口外しないことを約束し、アルマロスは、薬を受け取った。
「フォオン。」
「イヤよ。それ臭いもの。」
「フォオン!」
嫌がるルイズにアルマロスは、それでも薬を突きつけた。
ルイズは、薬と、アルマロスを交互に見た。
「ねえ…、どうしても飲まなきゃダメなの?」
「……。」
「この気持ちは本物よ。アルマロス。それでもダメなの?」
アルマロスは、首を横に振った。
「ねえ、アルマロス…。私…、あなたが来てくれて、本当によかったって思ってるのよ。本当に、本当によ? 嘘じゃない。」
「……。」
「あなたへのこの気持ちが…、好意なのか、親愛なのか最初は分からなかった…でも…。」
「フォオオン…。」
アルマロスは、首を振り、薬を押し付けるようにルイズに渡した。
「……ごめんね。アルマロス。」
ルイズは、一筋の涙を零しながら、薬を飲んだ。
そして。
「…………アルマロス。」
「フォン?」
「私を、殴って。」
「フォーン!?」
「記憶が無くなるぐ
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