第十九話 堕天使と水の精霊
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を武力交渉するなんて…、よっぽど気が立っているんだね…。」
ギーシュは、半ば呆れながら言った。
水柱がなくなると、アルマロスが湖面に立っていて、目の前に、アルマロスを模したような水の塊が立って対峙していた。
アルマロスが拳を振るうと、水のアルマロスも拳を振り、拳同士がぶつかった。
水が弾け、衝撃波が湖面を揺るがした。
「うわあああ! 激しいな!」
水しぶきは、岸辺にいるギーシュ達にもかかった。
「フオオオオン!」
『……人ならざる者よ。いかなる要件があって、我に挑むか?』
「フォン?」
アルマロスを模している水の精霊が美しい声で聞いてきた。
アルマロスは、構えを解いた。すると水の精霊も構えと解いた。その様は、まるで鏡のようである。
「フォォン…。」
『案ずるな。おまえの言いたいことは言葉にせずとも分かる。おまえの波動と共感させれば言葉など不要だ。』
アルマロスは、それならば早いと、水の精霊をまっすぐ見つめた。
アルマロスを模している水の精霊が揺れた。
『我の一部…、そして人の里の水位を下げろと……。我の一部は持ち帰るがいい。だが水位は下げられぬ。』
「フォォン?」
『我と共感せよ。おまえならば言葉など必要あるまい。』
「……。」
アルマロスは、意識を集中し、水の精霊から水の精霊の気持ちを読み取った。
そして眉を寄せた。
「フォオオン。」
『頼むぞ。』
そう言って水の精霊は、ラグドリアン湖の水に戻っていった。
湖面の上に残されたアルマロスは、ルイズ達のもとへ戻った。
「それで? なんだって?」
「フォオオン…。」
アルマロスは、手に字を書いた。
『精霊に仇なす敵を倒すことが水の精霊の涙をもらう条件』だと。
「水位の件は?」
『アンドバリの指輪を奪還することが条件。ただし無期限。』っと書いた。
「敵はともかく、アンドバリの指輪だって?」
『死者を蘇らせる力を持つ指輪。奪ったのは、クロムウェル…かも』っと書いた。
「クロムウェル…って、アルビオンの新皇帝が?」
「人違いじゃないの?」
盗んだ人物は、ともかく、まずは水の精霊を脅かす敵を退治することとなった。
***
その夜。
ガリア側の岸辺に身を潜め、水の精霊を襲う敵を待った。
やがて黒いローブを纏った、二人の人物が岸辺に近づくのをアルマロスは見つけた。
「来たのかい?」
「フォン。」
小声でギーシュと会話した。
「僕がワルキューレで陽動する。君は、あのガーレという武器で…。」
「フォオン。」
アルマロスは、ガーレを構えた。
しかしその直後。
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