第十九話 堕天使と水の精霊
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は、ガリアという国の国境にある。
大変美しいことで有名で、ここの水の精霊に誓約すると、誓約は永遠のものとなり、破られることは決してないという。
っという話をギーシュから聞いた。
「わあ…、綺麗ね。アルマロス。でも、私は、アルマロスが水みたいな衣装を着て踊ってる姿の方が私は好き。」
「……。」
「ねえ? どうして黙ってるの?」
ルイズは、目を潤ませた。
アルマロスは、それでも黙ったままだった。
「アルマロス…、私のこと嫌いなの?」
ルイズの目からポロポロと涙が零れた。
しかしそれでもアルマロスは、ルイズを見ようとはしなかった。だが拳を握っていた。何かに耐えるように。
ギーシュは、その様子を不憫そうに見ていた。
「おかしいわ。」
モンモランシーが言った。
「何がだい?」
「水位が上がってる。」
言われてよく見ると、水の中に家があった。
つまり…。
「村が水没している。」
「もし、そこの方々…。」
すると、痩せこけた老人が話しかけて来た。
「もしや水の精霊と交渉しに来てくださったのですか? でしたら助かります!」
「あの…、私達は別件で来たのですわ。」
「そ、そうですか…。」
老人は肩を落とした。
アルマロスは、馬から降り、老人に近づき、自分の手に字を書いた。
『何があったんだ?』っと聞いた。
「二年前から増水が始まって…、今じゃこの通り、村は水の中で…。」
暗い顔で語る老人の言葉を、アルマロスは真剣に聞いていた。
やがて老人は、自分達を助けてくれない領主やアルビオンのことで手が回らないトリスティン城にたいする愚痴を語るだけ語って、去っていった。
「アルマロス君…、まさか…。」
「フォオン。」
「ああ…やはりか。交渉する気だね。」
ギーシュが腕をすくめる。
するとアルマロスは、ラグドリアン湖を見て、拳を叩いた。
「えっ? ちょっと! 何をする気なの?」
「フォォオオオオオオオオオオオオオオオン!」
アルマロスが地面を殴った。
水柱が立ち、水柱は地面を走り、ラグドリアン湖を引き裂くように命中した。
「ああああ、なんてことを!」
モンモランシーが頭を抱えて青ざめた。
アルマロスは、ラグドリアン湖に向かって走り出した。
アルマロスによって引き裂かれ、大きく波打っていた湖面が、ウネウネと動き出した。
アルマロスは、湖面を走り、そのウネウネと動くところに向かって拳を振りかぶった。
大きな水柱が立ち、アルマロスの姿が飲まれた。
「アルマロス!」
「ダメよ、ルイズ!」
駆けだそうとしたルイズを、モンモランシーが止めた。
「水の精霊
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