第十七話 削れ行く堕天使の命
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
視界にあるすべての人が、ルイズの呪文に巻き込まれた。
タバサは、そしてすべての人々が信じられないものを見た。
今まで散々にトリスティンの、タルブ村を蹂躙していた艦隊が、燃えていく。
小型の太陽のようなそれは光はすべてを包みこんだ。
咄嗟に目を閉じる。
あまりの眩しさに、あまりの破壊力に。
アルビオンの侵攻に対処するべく駆けつけて来たアンリエッタとトリスティン軍も、言葉を失い咄嗟に光を遮った。
それほどの凄まじい光の爆発であった。
くらりとルイズが倒れる。それをタバサが受け止めた。
「アルマロス…。」
「フォオオン…。」
「アルマロス!」
ぼんやりとアルマロスを呼んだら、すぐに声が聞こえてきた。
アルマロスは、半透明の翼を広げて空を飛んでいた。
「アルマロス…。」
ルイズは、涙ぐんだ。
その時、アルマロスがハッとした顔をして、後ろを向いた。
その瞬間。
アルマロスの右胸を、鋭い氷が貫いた。
ルイズが目を見開き、現実を認識するよりも早く、アルマロスが地へ落ちていった。
「アルマロスぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
少し遅れてルイズが絶叫した。
地に落ちていったアルマロスを追って、風竜が降りた先には、氷のつららのようなものに右胸を貫かれ、ぴくりとも動かないアルマロスがいた。
ルイズは悲鳴を上げ、アルマロスに駆け寄った。
ブルブルと震えながらアルマロスに手を伸ばす。
顔に触れると、ひんやりとした感触が伝わる。彼の体温が極端に低いことが分かっていた。だが一層冷たく感じた。
「いや…、いや…いやぁ!」
ルイズは、涙をこぼしながら首を振った。
「アルマロス…、アルマロス!」
名前を呼ぶが、まったく動かない。
「ルイズ…。」
タバサが後ろから話しかけた。
「嘘よ…。こんなの……。」
ルイズは、頭を抱えた。
『落ち着け娘っ子!』
「デルフ…。」
アルマロスの腰に引っかけられていたデルフリンガーが言った。
『氷を抜け! まだ相棒は死んじゃないない!』
「ほ、本当?」
『いいから! 早くしやがれ!』
「分かった!」
ルイズは、アルマロスに刺さっている氷を掴んだ。
「きゃああああ!」
掴んだ途端、凄まじい冷たさで手が火傷した。
「なにこれ!?」
『チッ! こりゃただの氷じゃねぇか…。やべえぜ、相棒…。』
「!!」
『娘っ子、おい!』
しかしルイズは構わず氷を掴んで引っこ抜こうと踏ん張った。
「ううううう!」
冷たさによりジュージューっとルイズの手が、焼けていく。
『愚かな……。』
地の底から響く
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ